発信する情報の質によって報酬が貰えるSteem(スチーム)の仕組みと基本情報・価格チャートなどを解説。Googleに匹敵するほどの将来性を持つと言われる仮想通貨Steem(スチーム)の仕組み、特徴、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。
Steem(スチーム)のリアルタイム相場価格と時価総額ランキング
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Steem(スチーム)の基礎知識
仮想通貨Steem(スチーム)は2016年4月に発行された仮想通貨で、通貨単位はSTEEMで表されます。
現在は1STEEMあたり約300円前後で取引がされており時価総額では30位に位置していますが、過去には時価総額で3位になったことがあるほど有望な仮想通貨です。
そんなSteemは投稿の質によって報酬がもらえる記事投稿・SNSのプラットフォームの構築を目的として開発がされました。
現在SNSブームによりツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどが賑わいを見せていますが、これらのSNSではユーザーがどんなに有益な情報を発信したとしても報酬は発生しません。
またフェイクニュースと呼ばれるデマや嘘の情報も多く、投稿内容の質も疑問視されています。
Steemが記事や投稿にきちんと報酬が支払われるようなプラットフォームを構築すれば、ユーザーはクオリティが高い内容の記事を投稿するようになり、きちんとした報酬を受け取ることができます。
またSteemではどの記事に報酬が支払われるか投票によって決まるのため、混乱を招くような内容のフェイクニュースも減るのではと考えられています。
Steemの情報発信プラットフォームはSteemitと呼ばれ、Steemit内の投稿はSteemのブロックチェーンに記録・管理されるため改ざんや盗用・コピペの心配がありません。
もし多くの人がSteemを利用するようになれば、既存のメディアよりもSteemが情報収拾のツールとして使われると考えられています。
またSteemはIT界の巨匠、Googleと将来的に競合するとも言われており、多くの期待が寄せられています。
Steem(スチーム)の特徴
Steem(スチーム)の特徴として、使われている仮想通貨が3つあることが挙げられます。
使われている仮想通貨3つとは、Steem・Steem Power(SP)・Steem Dollars(SMD)です。
ではそれぞれの役割を順に見ていきましょう。
Steem(スチーム)
Steemは取引所で売買がされる仮想通貨で、Steemit(Steemのプラットフォーム)内の潤滑剤とも呼ぶべき仮想通貨です。
Steem Power(SP)・Steem Dollars(SMD)と交換が可能であり、報酬を現金化する際の手数料としても使われます。
Steem Power(スチームパワー:SP)
Steem Power(SP)は、Steemitに投稿をする際の手数料や、投稿者・投票者への報酬の半分として使われます。
またSteem Power(SP)は保有していると利子がつき、保有歴に応じてSteem Power(SP)が貰える(AirDrop)こともあります。
Steem Dollars(スチームドル:SMD)
Steem Dollars(SMD)は1SMDが1米ドルになるようにペッグ(固定)された仮想通貨です。
特徴として、すぐに現金(米ドル)に換えることができることが挙げられます。
投稿者と投票者への報酬はSteem Power(SP)とSteem Dollars(SMD)が半分ずつ支払われます。
このとき、Steem Power(SP)は一度Steemに換える必要がありますが、Steem Dollars(SMD)はすぐに現金に変えられますので早く利益を確定したいときなどに使われます。
またSteemの価格が暴落してしまい、報酬の価値が無くなってしまったとしても、米ドルにペッグされているため少なくとも半分の報酬は価値が担保されていることになります。
Steem(スチーム)のメリットは?
次はSteem(スチーム)のメリットについて詳しく見ていきましょう。
投稿者&ライターが報酬を受け取ることができる
最近はウェブビジネスが注目されてきていますが、まだまだライターの給料は高いものとは言えません。
Steemでは記事の質によって報酬が発生するためライターや有益な情報の発信者が情報に見合った額の報酬を受け取ることができます。
Steemの公式ホームページを見ると、今までで総額40億円もの報酬が支払われたとあります。
Steem内のトップクラスのライターで月に数10万円を稼いでいると言われ、中には月に100万円もの額を受け取る発信者の方もいるそうです。
また記事の質は投票によって決まり見事選ばれた投稿に投票をした人にも報酬の一部が支払われるので、Steemに参加する人全員が報酬を受け取れるチャンスがあります。
優良な情報が多くなる
投稿の質によって報酬が決まるため、Steemに集められる情報は必然的に質が高い優良な情報ばかりになると考えられています。
ネットの情報はデマが多いと言われ、最近ではフェイクニュースという言葉も誕生していますが、Steemが提供する情報には信頼性が持てると言えるでしょう。
また報酬が発生するためアフィリエイトサイトをするブロガーなども減り、ユーザーの利益だけを追求した情報が多くなります。
さらには広告も無くなるため、煩わしいポップアップ広告に気を散らされることなくサイトの閲覧が可能になります。
実際、Steemitには広告がなく、Steemの収益は全てユーザーから得る手数料だけです。
記事の盗用・コピペが無くなる
Steemに投稿された記事・内容は全てSteemのブロックチェーンで管理がされます。
ブロックチェーンの情報は改ざんすることはできず、半永久的に保存されます。
そのため記事の盗用やコピペといった悪質な投稿をするとすぐに発覚してしまい、そのような不正を働く人はいなくなると考えられています。
これによりライターの権利が保証されることにもなります。
Steem(スチーム)のデメリット
反対にSteem(スチーム)にはどのようなデメリットがあると考えられているのでしょうか?
報酬の額は通貨の保有量によって決まっている
投稿者と投票者が受け取ることができる報酬の額は、通貨(Steem Power)の保有量によって決まっています。
そのため通貨の保有額が少ない新規ユーザーはSteemに参加しても、受け取ることができる報酬の量が少なくなってしまいます。
新規ユーザーが増えないと投稿内容の質の維持ができなくなる恐れがあり、Steemでは報酬の配布条件などが度々議論をされています。
報酬目当ての不正の横行
報酬を受け取れるかどうかはユーザーの投票によって決定されます。
したがって報酬目当てに不正を企む者がダミーアカウントを作り投稿を行い、わざとそのアカウントに投票をして、報酬を受け取るといった不正が行われることが想定されます。
1つの投稿者にずっと投票を行うと、有効投票数が減っていくといった措置が取られていますが、今後Steemを多くの人が利用すると考えた場合、より効果的な対抗策を考案する必要があるでしょう。
既存のSNSとの競合
すでにYouTubeは動画再生数やチャンネル登録者数などで報酬が受け取れるような仕組みができあがっています。
同様にツイッターやフェイスブックでも今後、投稿の質・内容によって報酬が受け取れるようになる仕組みができあがるかもしれません。
そうなった場合、Steemが使われるメリットはあまりなく、ユーザー数が多いツイッターやフェイスブックをそのまま利用する人がほとんどでしょう。
最近はたくさんのフォロワーを持つインフルエンサーと呼ばれる人に商品を紹介してもらうというビジネスも誕生していますし、そこにブロックチェーン技術が応用されればSteemの利点は無くなってしまいます。
既存のSNSがどのような方針をとるかは分かりませんが、情報発信のプラットフォームを構築するならSNSとの競合は避けられないかもしれません。
Steem(スチーム)の価格推移・チャート
Steem(スチーム)は2016年4月に発行され、取引が開始されました。
2016年の5月頃に当時の最低価格である1STEEMあたり約2.4円を記録しますが、6月に初めてユーザーに報酬が支払われたことを受けてユーザー数が激増し、STEEMの価格も高騰します。
1STEEMあたり約43円で取引がされるようになり、なんと1ヶ月弱で18倍も価格が上昇しました。
しかし翌月の7月にハッキングされて、約850万円相当のSteemが盗まれるという事件が起きます。
このハッキング事件を受けて、Steemの価格も暴落し一時は1STEEM、7円まで値下がりしました。
その後2018年の2月に取引量世界第一位である中国の取引所バイナンスに上場を果たし、再び価格が高騰します。
いっとき700円まで上がりましたが、2018年7月現在は160円程度で取引がされています。
Steem(スチーム)のロードマップ&今後の開発予定
Steem(スチーム)では2018年中にSNSとの連携機能やユーザーが直接STEEMをやり取りできるライトニングネットワークの開発が計画されています。
また匿名性を付与した取引が可能になったり、秘密鍵を簡単に管理できるように改良が行われます。
さらに分散型取引所(DEX)がリリースされたり、投票権を購入できるようなサービスも誕生するようです。
以上のように2018年は多くの開発&リリースがSteemでは予定がされています。
開発具合によってSteemの価格が上がることが考えられますので要チェックです。
Steem(スチーム)の将来性は?価格は上がる?
Steemは既存のメディアを根底から覆す可能性があると言われ、潜在的にはGoogleと競合する将来性も秘めていると言われています。
ホームページを見るとすでにSteemを利用するユーザー数は900万人に登り、Steemitでは毎月150万本以上の投稿があります。
着実に大きくなりつつあるSteemですが既存のSNSとの競合や、不正が行われないような仕組みの構築などまだまだ改善点は多いといえます。
またSteemでは毎日少しづつSTEEMが発行され、最終的には1年間で通貨の発行量が倍になります。
加えて発行上限枚数が無いことから、将来的にSteemの価値は下がると考えられています。
したがって長期的な投資にSteemは不向きと言えるでしょう。
とはいえ2018年は多くの開発&リリースが予定されており、Steemへの短・中期的な投資には期待が持てそうです。
終わりに
Steem(スチーム)は現在のところ英語で書かれた投稿が多く、私たち日本人が投稿によって報酬を得るのは難しいかと思います。
開発が進むにつれて英語だけでなく世界中の言語に対応したプラットフォームが作られ、それに伴い世界中の人がSteemを利用すると考えられますが、今の段階では私たち日本人がライターとして参入するのはハードルが高いでしょう。
そこで日本にもSteemを参考にして作られた記事投稿・報酬型SNSプラットフォーム、ALIS(アリス)が開発されました。
まだ利用者は少ないですが、投稿・情報発信によって報酬を得たい人にはオススメです。
Steem(スチーム)のまとめ
- Steem(スチーム)は、発信した情報の質によって報酬が受け取れるプラットフォーム(Steemit)の構築を目的として開発がされた
- プラットフォーム内で使用される仮想通貨は3つあり、Steemはプラットフォームの基盤に、Steem Power(SP)は手数料や報酬の半分、Steem Dollars(SMD)は主に報酬に使用される
- Steemが発展すれば有益・良質な情報が増え、記事の盗用やコピペが無くなるというメリットがある
- 偽造アカウントによる不正行為や、既存の大手SNSとの競合は今後の改善ポイント
- 通貨の発行枚数に上限がなく、1年間で通貨の量が2倍になるため、長期的な投資には不向き
- 2018年は多くの開発&リリースが行われる予定なので、短・中期的な投資には期待ができそう