仮想通貨を支える大切な仕組み「Peer to Peer(ピアツーピア)」をご存知でしょうか?仮想通貨の仕組みを知る上でP2Pの知識は欠かせません。なんだか専門用語で難しそうに聞こえますが、初心者の方でも分かりやすいように簡単に説明します!

はじめに

キーボードを操作する様子「P2P」という言葉を目にしたことはありませんか?
「P2Pなんて聞いたことない」という方もいるかもしれませんが、実はすでにP2Pの技術の一部は私たちの身近なところで応用されている技術です。
また仮想通貨にP2Pの仕組みが使われていることから、P2Pの技術は今、世界中から大注目の技術なんです。
仮想通貨だけでなく今後様々な分野に、このP2Pの技術が使われていくことが予想されています。
もちろん、仮想通貨の仕組みを知る上で、P2Pを理解することはとても重要です。

P2Pと聞くと「専門のIT用語でなんだか難しそう…」と思うかもしれませんが、なるべく難しい専門用語を使わずに、分かりやすく説明していきますのでご安心ください!

P2P(ピア・ツー・ピア)とは?

P2P(ピアツーピア)のイメージP2Pという言葉は「Peer to Peer(ピア・ツー・ピア)」という言葉の略語です。
英語の2(ツー)とto の発音が似ているため、toを2にしています。
PtPよりも、P2Pの方が響きが少しカッコよく感じますよね。

Peerという言葉の意味は日本語に訳すと「仲間」という意味になります。
他のP2Pを解説したサイトなどを見ると、Peerは「同格者」と少し難しく紹介されていますが、分かりにくいという方は「仲間」という認識で構いません。
ですのでPeer to Peerを日本語に訳すと「仲間(Peer)・から(to)・仲間に(Peer)」という意味になります。

P2Pを簡単に言うと、複数のコンピューターを繋ぐネットワークシステムのことです。
従来のネットワークシステムを覆す、革新的なネットワークシステムだと言われています。
ですが、いきなりP2Pの仕組みを説明してしまうと分かりづらくなってしまうので、まず先に従来のネットワークシステムを簡単に解説します。

従来のネットワーク

パソコンやスマホ、タブレットのことを一般的にまとめて「情報端末」と言います。
皆さんも上にあげた情報端末のうち、どれか1つはお持ちだと思います。
毎日のようにスマホで電話をしたり、メールを送ったり、パソコンでwebサイトを見たり、動画を見たりしますよね?
ですが、これらの情報端末でwebサイトを見たり、メールを送ったり電話をしたりするにはインターネットに繋がなければいけません。
これは当たり前ですよね。

ではどうやって情報端末をインターネットに繋いでいるのでしょうか?
それは、情報端末を「サーバー」と呼ばれる巨大なコンピューターに接続し、サーバーを介してインターネットに繋いでいるのです。
私たちのように、インターネットを利用する側をクライアント(顧客)と言い、インターネットを提供する側の企業をサーバー(提供者)と言います。
あまり実感はないかもしれませんが、インターネットも立派なサービスです。
ですのでサービスを提供する側(サーバー)と利用する側(クライアント)が存在します。
サーバーにクライアントが接続してインターネットを使う方法のことを「クライアントサーバーシステム」と言います。
けっこう単純な名前ですね。
このクライアントサーバーシステムこそが今現在、使われているネットワークシステムなのです。

インターネットに繋いでwebを見たり、メールをしたり電話をするにはサーバーに接続しなければいけない、というのが今までの常識でした。
しかし、P2Pネットワークのシステムは、この従来の常識をひっくり返した画期的なネットワークシステムなのです。

P2Pではサーバーが要らない!

今まで使われているネットワークシステム、サーバークライアントシステムについてはお分かりいただけたと思います。
P2Pのネットワークと従来のネットワークシステムの違いを一言で言うなら、サーバーに接続しなくてもインターネットを利用することができる、ということです。
では具体的に、どうすればサーバーを使わなくてもインターネットを利用することが可能なのでしょうか?

そこで、P2Pの意味は冒頭でも述べたとおり、「仲間から仲間へ」という意味だったことを思い出してください。
インターネットの社会で”仲間”というのはスマホやパソコン、タブレットを持っている私たち全員のことです。
顔も名前も知らないような人でもインターネットを使っているだけで同じ仲間、と一括りにされることに違和感があるかもしれませんが、ここではスルーしてください。P2Pとは情報端末を持っている人全員をネットワークで繋いでしまうネットワークシステムのことです。
全員がネットワークで繋がれているため、サーバーに接続しなくてもインターネットを利用することができます
分かりやすく言うと、世界中の人でインターネット共有をしている状態です。
デザリングとも言いますね。

私たちが持っているスマートフォンやパソコンがインターネットに繋ぐだけでなく、同時にインターネットを発信する側にもなっているイメージです。
スマートフォンのインターネットはサーバーから出ているインターネットなので、厳密にはP2Pではありませんが、私たちの情報端末がインターネットを発信する、というイメージとしてはこんな感じです。
一台・一台から発信されるインターネットは微弱なものですが、それを全て繋ぎあわせることで企業の巨大なサーバーに負けないくらいのネットワークが構築できるのです。

P2Pネットワークのメリットは?

世界をセキュリティーする様子P2Pは私たちのパソコンやスマホを繋ぎあわせるネットワークシステムだ、ということがお分かりいただけたかと思います。
では従来のクライアントサーバーシステムによるネットワークシステムよりも、P2Pが優れている点やP2Pのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
次に見ていきたいと思います。

メリット① ネット回線が早くなる!

ネットサーフィンをしているとき、ネット回線の接続が遅く、なかなかページを読み込まないという経験は誰でもあるかと思います。
散々待たされた挙句、「ネットに接続できませんでした」なんて言われたらイラっとしますよね。

ではなぜ、インターネットに接続しづらい状況が起きるかと言うと、それはサーバーにアクセスが集中しているからです。
「ただいまサーバーにアクセスが混み合っているため、ネットに繋がりにくい状態です」という文言をパソコン上で見たことはありませんか?
クライアントサーバーシステムの場合、多くの人がインターネットに接続してしまうとサーバーがキャパオーバーになってしまいます。
よってインターネットに繋がりにくい状況が起きてしまうのです。
ですがP2Pの場合、1つのサーバーにアクセスが集中するということはありません。
そもそもですがサーバー自体、存在しないのです! ですのでP2Pネットワークが普及すれば、今までよりも段違いにネット回線が早まることが予想されます。
また、ネットの集中過多によるサーバーダウンも無くなります。
大切な書類の作成中にサーバーエラーが起きてデータが消えてしまった、なんてことも起きなくなるのです。

メリット② ハッキング被害に遭わなくなる

クライアントサーバーの場合、書類やデータは一度サーバーに保存して、後にダウンロードをする必要があります。
もしサーバーが悪者からハッキングをされてしまうと全ての大切なデータ、情報が流出してしまう危険性があります。

しかし、P2Pの場合はみんなでデータを管理して共有しているためハッキングをするのが非常に困難です。
もし、P2Pネットワークから情報をハッキングして盗み出そうと思ったら個々の情報端末1つ1つに攻撃をしていかなければいけません。
非常に面倒なためハッカーもくたびれてしまいます。

また、クライアントサーバーですとハッキング被害に遭ってもハッキングされたことが直ちに発見できない場合があります。
先日も世界で20億人が利用しているSNS、フェイスブックから9000万人近くの個人情報が流出したという騒ぎがありました。
ご存知の方も多いのではないかと思います。
ですが、実際にハッキングされて情報が流出していたのは1年も前のことだったのです。

このようにクライアントサーバーですと、ハッキング被害の早期発見が困難になります。
フェイスブックというITの巨大企業ですらハッキングに1年間も気づかないのですから驚きですよね。
しかしP2Pネットワークは個々の端末が密接に繋がっているため、どれか1つの端末がハッキングされたらすぐにハッキングを特定することができます。

同様にハッキングだけでなく、外部からのウイルス被害にも強いというのがP2Pの強みです。

P2Pのデメリット

ハッカーP2Pのメリットについて簡単に見てきました。
しかしP2Pは新しいネットワークシステムであり、まだまだ改善すべき点はたくさんあります。
次にP2Pのデメリットを見ていきましょう。

デメリットは?

繰り返し述べてきた通り、P2Pのネットワークは個々人の情報端末がネットワークで繋がれています。
また、個人でのデータも分散して流通しています。
そのため、個人情報や個人のデータをどのように保護するのか、という点は多くの議論がなされています。
利用者のプライバシーを保護する必要があるのです。

また、外部からのハッキングやウイルスには強いもののネットワークに繋がれている人からのウイルスには弱い、という側面もあります。
P2Pは技術的には素晴らしいものの、まだまだ改善すべき点が多いというのが現状なのです。

身近なところでもP2Pはすでに使われている!
P2Pにはまだまだ改善すべき点が多いと述べましたが、すでにP2Pの技術は私たちの生活に少しづつ利用され始めています。
例えば身近な所でP2Pが使われている例に、LINE電話が挙げられます。
日本国内では現在7000万人以上がLINEを使っていると言われています。
すっかりメールに取って代わって代表的なコミュニケーションツールになったLINEアプリですが、実はP2Pの技術が使われていることをご存知だったでしょうか?
LINEアプリのサービスとして通話が無料なことがあります。
なぜ無料なのかと疑問に思ったことはありませんか?
通常、携帯電話に限らず電話をする場合は通話料金がかかります。
公衆電話で電話をするときもお金を入れないと通話できませんよね。

しかしLINE電話は通話料がタダで電話をすることができます。
一体どういうことなのかというと、その秘密はP2Pにあります。
LINEで電話をする場合、日本中にいるLINE利用者の携帯から出るネットワーク回線を少しづつ拝借して電話をかけられるようにしています。
言わば、LINE利用者が全員繋がっている状態です。
これは紛れもなくP2Pの仕組みですね。
LINE電話以外にもP2Pは日常生活の様々なところで応用され始めています。
他にも例を挙げるとLINEと同じく通話料が無料なSkypeというサービスやオンラインゲームにもP2Pが使われているのです。

P2Pは仮想通貨にどのように使われている?

ブロックチェーンのイメージP2Pネットワークがどのように日常生活で使われているのか理解していただいたところで、本題とも言うべき仮想通貨とP2Pの関係について説明していきましょう。
タイトルにもある通り、P2Pは仮想通貨を支える大切な仕組みです。
また、仮想通貨の仕組みを理解する上でP2P知識は必要不可欠になります。
この機会に理解するように覚えてしまいましょう。

仮想通貨には日本銀行のような中央銀行が存在しないことはご存知だと思います。
仮想通貨は非中央集権とも呼ばれ、管理者がいません。
では誰が仮想通貨の管理を行うのでしょうか?
実は仮想通貨を利用している人なら誰でも、仮想通貨の管理をすることができます。
管理とは仮想通貨の取引記録を作ったり送受金を承認することを指します。
これをマイニングと言います。

マイニングをすることによって報酬が貰えます。
報酬は仮想通貨で受け取ることができ、ビットコインの場合ですと12・5BTC、日本円にして約800万円近くも手にすることができるのです。
また、マイニングによって作成した取引記録のことをブロックといい、ブロックを1つに繋ぐことをブロックチェーンと言います。
個々の取引記録であるブロックを1つに繋ぎあわせる、どこかで聞いた話だと思いませんか?
そう、このブロックチェーン技術にP2Pが使われているのです。

また、仮想通貨には管理者がいないため、通貨の送金は個人間で行うことができます。
銀行等を介さずに、どうして個人同士で通貨のやり取りができるのか疑問に思いませんか?

察しのいい方はもうお気づきかもしれませんね。
仮想通貨の利用者同士は同じネットワークで繋がれています。
そのため、個人間同士でも仮想通貨の送受金が可能なのです。

少し抽象的な話なので、今までの説明が少し分かりづらいという方もいるかもしれません。
ですので本来、通貨が存在するために必要な中央銀行(日本では日本銀行、アメリカでは連邦準備制度理事会と言います)をインターネットのサーバーに、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を仮想通貨の利用者に置き換えてイメージしてみて下さい。
もう何度も述べている通り、P2Pネットワークにはサーバーが要りません。
つまり、仮装通貨で言うところの中央銀行が必要なくなるのです。
また、P2Pネットワークではサーバーを介することなくユーザー同士で直接、ファイルやデータを送り合うことができました。
したがって仮想通貨の場合、中央銀行を介さずに利用者の個人間で通貨を送金したり受け取ったりすることができるのです。

仮想通貨の仕組みを世界で初めて発表したのはサトシ・ナカモトという謎の人物です。
彼が提唱した仮想通貨、ビットコインはその後、全ての仮想通貨の元の仕組みになっています。
サトシ・ナカモトはビットコインを論文で発表したのですが、その論文のタイトルは「Bitcoin:A Peer to Peer Electronic Cash System」です。

日本語に直すと「ビットコイン:ピア・ツー・ピア型の電子キャッシュシステム」です。
仮想通貨のタイトルに、P2Pという言葉が思いっきり入っていますね(笑)
これでいかにP2Pが仮想通貨の仕組みを支える大切な技術であるかお分かりいただけるかと思います。
では次にP2Pを仮想通貨に用いることで、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット① 通貨の送金が早い・安い

通常、日本円やドルを送金する場合は銀行が送り手と受け手の間に仲介をしなければいけません。
しかしその場合、銀行に手数料として振込手数料を払わなければいけません。
また、土曜日、日曜日は銀行が営業を休んでいるので振込をすることができませんよね。

ですがP2Pネットワークでは中央管理者、銀行がありません。
仮想通貨の利用者はネットワークで繋がっているため、個人間で直接、通貨の送受金をすることができます。
間に銀行を挟まなくていいので、仲介手数料(振込手数料)を払う必要がありません。
また、24時間いつでも好きな時に好きな人に通貨を送金することができるのです。

メリット② 不正ができない

仮想通貨の取引記録や送受金の履歴は仮想通貨の利用者全員が共有して保持しています。
もし悪いことを企む誰かが取引記録を改ざんして、自分が100万円の仮想通貨を持っていることにしようとしたとします。
クライアントサーバーシステムなら、サーバーにアクセスしてサーバーにある記録だけを改ざんすれば利用者全員の記録が変わります。
したがってサーバーだけにハッキングをすればいいことになります。

しかしP2Pで結ばれている仮想通貨の取引記録を改ざんしようと思ったら、仮想通貨を持っている人全員分の記録を1人1人改ざんしなければいけません。
仮想通貨は世界中に利用者がいますし、その数は世界中で200万人以上と言われています。
世界に散らばる200万人のデータを1個1個書き換えるなんて不可能に近いですよね。
ですので仮想通貨で不正をすることはほぼ間違いなく不可能になります。

メリット③ 取引記録が追跡される

P2Pネットワークでは利用者は全員のデータを共用して保持していると先ほどお話ししました。
全員のデータとは仮想通貨の取引記録や送受金のヒストリーのことなどです。
仮想通貨を悪巧みに使おうと思っても、その記録を隠すことができません。
取引記録は利用者全員に知れ渡るので、取引記録が追跡されるのです。

最近は仮想通貨のブームが加熱していることから、多くの取引所がハッキング被害に遭い通貨が流出しています。
しかし、取引所から仮想通貨を不正に手に入れることができたとしても、通貨を使った時点で利用記録が全員に知れ渡り足がついてしまいます。
2018年の1月に日本の仮想通貨取引所であるコインチェックから500億円近くの仮想通貨が盗まれたことは記憶に新しいかと思います。
犯人グループは通貨を盗んだはいいものの使用してしまうとすぐにバレてしまうので、今もなお500億円は口座に塩漬けのままになっているそうです。
なんだかもったいないような気もしますね…

P2Pが悪いわけではない!

P2Pを仮想通貨に使うメリットをお話ししてきました。
しかし最後に取引所から仮想通貨がハッキングされた、盗まれたというお話をしたため不安に感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
「P2Pはハッキングに強いんじゃなかったの?」 「やっぱ仮想通貨は信用できない…」 などどいう声が聞こえてきそうです(笑)

ですが、安心してください。
仮想通貨がハッキングされたという事件は全て取引所がハッキングをされた事件です。
仮想通貨のP2Pのネットワークに不備があったのではなく、言うなら取引所のハッキング対策に不備があったことになります。
P2Pネットワークがある限り、自分の仮想通貨が不正被害に遭うことはありません。

しかし残念ながら、まだまだ仮想通貨の取引所のハッキング対策は完璧とは言えません。
2018年の2月までに取引所へのハッキングは22件以上も確認されています。
被害総額はおよそ13億ドル、日本円にして約1400億円にも昇ります。
1日、平均して10億円もの仮想通貨が世界の何処かで盗まれているのです。
仮想通貨取引を始める上で、取引所に預けている自分の仮想通貨が盗まれる可能性があることは頭に入れておく必要があります。

終わりに

ビットコインが表示されたディスプレイ仮想通貨の仕組みを知る上で欠かせないP2Pの仕組みを解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
最後に簡単にこの記事の内容をまとめたいと思います。

  • P2P(Peer to Peer)は利用者同士をネットワークで繋ぐシステムのこと
  • すでに日常生活に応用されつつある(LINE電話、Skype、オンラインゲームなど)
  • 仮想通貨の根幹、ブロックチェーン技術に用いられている
  • ネットワーク回線のアクセスが早くなる、不正に強いといったメリットがたくさん

今のインターネットの仕組みは従来のクライアントサーバーシステムが主流ですが、今後はP2Pが使われることになるだろうと予想されています。
また、P2Pやブロックチェーン技術はインターネットや仮想通貨の仕組みだけでなく色んな分野に応用されて行くことになるでしょう。

最近では不振にあえぐ、出版社業界もブロックチェーンの導入を発表しました。
次はどの分野にP2Pの技術が使われるか、と注目して見ると日々のニュースを見るのが面白くなるかもしれませんね。

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