Maker(メーカー)

ペッグ通貨Daiの価格を安定させるために作られたMaker(メーカー)。Tetherの詐欺疑惑が高まるにつれて注目度を増している仮想通貨です。Makerの役割やDaiとの関係、将来性などを簡単に解説していきます。

Maker(MKR)のリアルタイム相場価格と時価総額ランキング

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仮想通貨Maker(メーカー)の基礎知識

Makerトークンを包む手

Maker(メーカーは2017年の1月に公開された仮想通貨で、通貨単位はMKRで表されます。
発行当初の価格は1MKRあたり2000円程度でしたが、2018年の1月には130万円まで値上がりをしました。

通貨の発行上限枚数は100万枚と仮想通貨の中でも特に少なく、時価総額ランキングでも常に上位に位置しています。

Makerはガバナンストークンとも呼ばれ、Daiという仮想通貨の価格を安定させるために存在する仮想通貨です。
Makerについて詳しく解説していく前に、まずはDaiという仮想通貨の説明を簡単にしていきたいと思います。

仮想通貨Dai(ダイ)とは?

Daiトークンを包む手

Dai(ダイ)はMaker(メーカーの運営団体がMaker同様に発行している仮想通貨です。

Daiはより実用性を持たせ日常生活で決済に使用されるために、Tetherと同じく米ドルにペッグされたペッグ通貨となっています。
ペッグとは固定という意味で、ペッグ通貨はある通貨の価格と同じ価格に設定されている(固定されている)通貨のことです。
つまりTetherの価格は常に1$=1USDTとなっており、Daiの価格も常に1$=1DAIとなっています。

ビットコインをはじめととする他の仮想通貨は価格変動(ボラティリティー)が激しく、1日で数十倍の値上がりや値下がりを繰り返すことも珍しくありません。
このボラティリティーの高さによって時には大きな利益を得ることもできるのですが、ボラティリティーが高い通貨だと日常生活で利用するには不便となってしまいます。

そこで価格が安定しており、実用性のあるペッグ通貨としてTetherやDaiが開発されました。
実用以外にも、Tetherは法定通貨と仮想通貨の橋渡し(ブリッジ通貨)や、貯蓄などの役割も果たしています。

しかしながらTetherには最近、詐欺ではないかという疑惑が浮上しています。

Tetherの運営団体は発行したTetherの額と同じ分の米ドルを保有することで、1$=1USDTという価格安定を図っていると述べていますが、Tetherの発行枚数が増えるに伴い、本当にそのような多額の米ドルを保有しているのかはとても疑わしいものです。

一方のDaiでは、MakerがDaiのボラティリティーを抑え価格を安定化させるための役割を担っています。
Tetherのように運営団体が発行額分の米ドルを保有する必要がないため、安定性と信頼性が高いペッグ通貨を実現することができます。

またMakerの保有者はDaiのリスク管理やDaiの開発内容を投票によって決定することができます。
他にはこれから解説するDaiの価格安定のためのシステム管理もMaker保有者が行うことができます。

そのためMakerはDaiのガバナンストークンとも呼ばれています。
では次にDaiがどのようにして発行されるのか、どのようにしてMakerがDaiの価格が安定化させるのかを見ていきましょう。

CDP(Collateralized ・Debt・Positions)

CDP(Collateralized ・Debt・Positions)はDaiを発行するためのシステムのことです。

ユーザーはイーサリアムを担保にすることで、Daiを発行することができます。
Tetherは米ドルを担保としていますが、Daiではイーサリアムを担保としている点がTetherとDaiの違いです。

CDPではイーサリアムのスマートコントラクトを用いているため信頼性が高く、Tetherのように本当に担保金を保持しているのか疑いを持たれることはありません。

CDPにはDebt(借金)という言葉が使われており、そもそもDaiは中国語で賃貸を意味する言葉です。
そのためCDPは厳密に言うと、イーサリアムを担保金としてDaiを借りるためのシステムという事になります。

Daiを発行(借りる)際の手数料はMakerで支払われ、手数料となったMakerはバーン(ブロックチェーンから除外)されます。

現在は担保金にできる仮想通貨はイーサリアムのみですが、将来的には他の仮想通貨でも担保金にできるような開発が行われていくようです。

TRFM(Target Rate Feedback Mechanic)

TRFM(Target Rate Feedback Mechanic)は日本語で「目標為替フィードバックメカニズム」と言い、Daiの価格を1$にペッグさせるためのメカニズムです。

簡単に仕組みを説明すると、1DAIが1$よりも上回ってしまいそうな場合、MKRとDAIの交換レートを引き下げてDAIの価格が下がるように調整をします。
1DAIが1$を下回りそうになると、MKRとDAIのレートを引き上げてDAIの価格が上がるように調整をします。

このようにしてMakerはDaiの価格を安定させるための役割を果たしているのです。

Maker(MKR)&Dai(DAI)の価格推移・チャート

makerチャート表
Daiチャート表

Daiは米ドルにペッグされており、基本的には1DAI=1$となっています。
そのためチャートを見るとボラティリティーはほとんど無く、ほぼ1$前後を推移しています。
今後、多くの人がCDPを利用して多くの人がDaiを発行するようになればよりDaiの価格が安定し、Tetherのように直線のグラフとなっていくでしょう。

一方のMakerは2017年の1月に公開され、半年後には価格が10倍に、1年で約20倍近く高騰しています。
中国の大手取引所であるBinanceにも上場し、2018年の1月には1MKRあたり約12万にまでなりました。

その後は下落に転じ、5月に一度上昇の気配を見せたものの、現在(10月)では1MKR、7万円台で取引がされています。

Maker(メーカー)とDai(ダイ)の将来性は?

携帯を片手に笑う女性

Dai(ダイ)は価格変動(ボラティリティー)がほとんど無いため、安定性と実用性のある仮想通貨です。
また現在、同様に米ドルへのペッグ通貨であるTetherに詐欺疑惑が持たれていることからDaiへの注目が集まり、元来Tetherが果たしていた法定通貨と仮想通貨の中継役を今後Daiが担うかもしれません。

しかしながらペッグ通貨のためDaiの価格が値上がりすることはなく投資対象としては不向きです。

 

一方のMakerは仮想通貨をアシストする仮想通貨、ガバナンストークンという仕組みのユニークさで注目されており、こちらは価格変動があるので投資対象として十分期待ができます。

特にTetherの疑惑が高まるにつれてDaiに目が向けられ、その結果Maker(メーカー)の価格が高騰する可能性は十分にあり得そうです。

Maker(メーカー)のまとめ

コーヒーとノートが置いてある机

  • MakerはDaiのボラティリティーを抑え、価格を安定化させる役割を果たす仮想通貨
  • Daiは米ドルにペッグされたペッグ通貨で、価格は常に1$=1DAIとなる
  • TRFMというメカニズムでMakerはDaiの価格変動を調整している
  • ユーザーはCDPという仕組みを利用して、イーサリアムを担保にDaiを発行(借りる)ことができる
  • 同じくペッグ通貨であるTetherの信用性が疑われており、DaiとMakerに注目が集まる可能性は十分にある→Makerの値上がりが期待できそう

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