Monero(モネロ)仮想通貨イメージ

Monero(モネロ)とは数ある仮想通貨の中でも匿名性が高いことで有名な仮想通貨です。その匿名性の高さの秘密であるRingCT(リング署名)・StealthAddress(ステルスアドレス)とは何か、またMonero(モネロ)のメリット・デメリット、将来性を含め大ボリュームで解説します!

モネロ(Monero)リアルタイム相場価格

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仮想通貨 Monero(モネロ)とは?

モネロの通貨イメージMonero(モネロ)は2014年に発行された仮想通貨です。

通貨単位は「XMR」で表され、2018年6月現在は1/XMRあたり約2000円で取引がされています。

Moneroは匿名性が高いことで有名なByteCoin(バイトコイン)を基にして作られており、Moneroも同様に匿名性の高さで注目を集めています。

Bytecoinの時価総額は現在20位台なのに対して、Moneroは10位台前半と、すでに本家であるBytecoinを時価総額では上回っており、Moneroの注目度の高さが伺えます。

Monero(モネロ)の特徴を解説

Monero(モネロ)コインイメージMonero(モネロ)の特徴には匿名性が高いことと、取引スピードが早いことが挙げられます。
順に、その理由を見ていきましょう。

匿名性が高い

ビットコインは公開帳簿式とも呼ばれ、通貨の取引記録が管理されているブロックチェーンを照合すれば、誰が・誰に・いくら・ビットコインを送金したかが分かるようになっています。(もちろん、ビットコインのアドレス、銀行口座のようなものが分かるだけで、取引記録から個人情報までが特定されるわけではありません)

中央銀行のような管理者が存在しないビットコインでは参加者全員がビットコインの取引記録を確認できることは、参加者全員でビットコインの管理を行うとともに、不正が行われていないかチェックする役割も果たしていることになります。

一方のMoneroは匿名性が高く、第3者からは、誰が・誰・にいくらMoneroを送金したかは分からないようになっています。

その秘密は「RingCT(リング署名)」「StealthAddress(ステルスアドレス)」と呼ばれる技術にあります。

リング署名とは、送金をリクエストする際に、送金者1人だけではなく複数人が送金の署名を行うことです。

通常、仮想通貨を送金する場合は秘密鍵と呼ばれるパスワードのようなものと、銀行口座の役割を果たす公開鍵が必要となります。
送金者は自分の秘密鍵で署名を行い、送金リクエストを送ります。
送金リクエストを受け取った人は、送金リクエストと送金者の公開鍵を照合し、正しければ送られてきたお金を受け取ることができます。

送金者の公開鍵は誰でも知ることができるため、誰から誰に送金がされたということを周囲の人は知ることができ、誰がどのくらいの通貨を保有しているのかも周囲の人には知られてしまいます。

一方のリング署名の場合、送金を希望する人は他の複数人とまとめられて一度グループ化されます。

そのグループ内で一時的な公開鍵・ワンタイムアドレスが作られ、送金を希望する人はワンタイムアドレスを用いて送金を行います。

また、送金リクエストへの署名は送金を希望する人、本人だけではなくグループのメンバー全員が行うため、送金を受け取った人は誰から送金がされたのかを知ることができません。

一時的に使えるワンタイムアドレスを作成することで、送金者本人のアドレスが分からなくなるのです。

この仕組みのことを送金希望者のアドレスが見えなくなることから、ステルスアドレスと言います。

リング署名とワンタイムアドレスを作成するステルスアドレスの仕組みによって、仮想通貨Moneroは匿名のまま送金をすることが可能となります。

取引スピードが早い

Monero(モネロ)には匿名性が高いという特徴の他にもう1つ、取引スピードが早いという特徴もあります。

その理由は、Monero(モネロ)のブロックチェーンのブロックサイズが自由に変更できるという点にあります。
ブロックとは通貨の取引記録などの情報が集まったもののことで、ブロックサイズは情報を管理できる容量のことです。

ブロックのサイズが小さいと多くの取引記録を作成しなければならないときに、処理速度に遅れが出てしまいます。
この問題が顕著となっているのが、ビットコインやイーサリアムです。

ビットコインやイーサリアムの人気が高くなり多くの人が送金するようになった結果、処理すべき情報が増えてしまい送金が完了するのに遅れが生じています。
これをスケーラビリティ問題といいます。
特にビットコインのブロックサイズはたったの1MBしかなく、多くの取引記録などの情報を処理・管理することはままなりません。

実は、ビットコインからビットコインキャッシュがハードフォークしたのも、このブロックサイズの小ささが原因となっています。
ブロックチェーンに支えられえている仮想通貨にとって、情報管理の容量であるブロックサイズはとても重要な問題なのです。

Moneroの場合、取引記録の情報量に合わせてブロックのサイズを柔軟に変えることができます。
そのため、多くの取引記録が発生しても取引処理に時間がかからず、送金に遅れが生じることもありません。
これがMoneroの取引スピードが早い理由です。

Monero(モネロ)のメリットを解説

Monero(モネロ)とDash(ダッシュ)Monero(モネロ)のメリットは言うまでもなく、匿名性が高いことです。
再びビットコインを例にとって考えてみましょう。

ビットコインはどのアドレスからどのアドレスにいくら送金がされた、どのアドレスが今いくらビットコインを持っている、ということが誰でも分かるようになっています。

透明性が高いということで安全性が増すというメリットもありますが、反対にビットコインを多く持っている人がハッカーの対象となってしまう負の側面もあります。

DASH(ダッシュ)など、他にも匿名で送金ができる仮想通貨はありますが、Monero(モネロ)は匿名で送金ができるだけでなく、送受金の金額まで第3者に知られることはありません。

そのため現在Moneroを誰がいくら持っているのかを第3者からは把握することができないので、ハッカーに狙われるリスクは少なくなります。

また匿名性が高いということは利用者の個人情報の保護にもなりますし、寄付など匿名で送金をしたい場合にもMoneroが活用されるというメリットもあります。

Monero(モネロ)のデメリットを解説

モネロの仮想通貨イメージMonero(モネロ)は匿名性が高いことが特徴で、それがMoneroの最大のメリットでもあるのですが匿名性が高いことは反対にデメリットにもなり得ます。

例えばマネーロンダリングや闇サイトでは、不正にMoneroが悪用される可能性があり、反社会組織の裏取引などに使われることも想定されます。

Moneroが今後悪用されることがあると、世界各国の規制の対象となってしまう恐れがあります。
そうなればMoneroを使用することはできなくなり、Moneroの価格も大きく下落してしまうでしょう。

他にも大事な支払い、割り勘など、誰がいくら送金したかが明らかにならなければいけない場面ではMoneroを使うことはできず、 Moneroの利用には一定の制限があるというデメリットもあります。

Monero(モネロ)のこれまでの値動き

monero (モネロ)のチャート表Monero(モネロ)は2014年に発行され、2015年から2018年現在まで長期的に見ると価格は上昇しています。

特に2017年は大きな高騰を見せ、8月・9月には1/XMRあたり4,000円から15,000円にまで価格が上昇しました。
その理由は、Moneroが韓国最大の仮想通貨取引所であるBithumb(ビッサム)に上場したことが考えられます。

さらにその勢いは留まることを知らず、2017年の終わり頃には1/XMRあたり40,000円近くまで価格が上昇しました。
このときは仮想通貨市場全体が大きな盛り上がりを見せ、Moneroもその流れに乗じたことが高騰の原因だと考えられています。

しかしながら、2018年の1月以降は各国が仮想通貨の規制を強化したことでMoneroもその煽りを受けて、4月には1月の3分の1の15,000円近くまで価格が下がってしまいました。

またMoneroが北朝鮮の資金に使われているのではないかといった憶測も流れ、情報の真偽のほどは分かりませんが、この本当かどうか分からない噂もMoneroの価格が下落した要因であると考えられています。

Monero(モネロ)のハードフォーク

Monero(モネロ)は2018年の4月に多数の仮想通貨にハードフォークしたことでも話題となりました。

ハードフォークとはある仮想通貨から、元の仮想通貨とは互換性のない別の仮想通貨が生まれることを言います。

過去のハードフォークの例にはビットコインからハードフォークしたビットコインキャッシュ、イーサリアムからハードフォークしたイーサリアム・クラシックなどが挙げられます。

基本的にハードフォークが起こる場合は、元の仮想通貨に何かしらの問題が起こったことが理由のほとんどです。

現にビットコインではスケーラビリテ 問題が、イーサリアムでは「theDAO事件」がそれぞれハードフォークの理由として存在します。

Moneroの場合は、マイニングに使われるASICという専門のハードウェアを多くのマイナーが利用したため、ネットワークの接続が集中しすぎるという問題が起こっていました。

ASICは現在、マイニングに最も最適なマシンの1つとも言われ、多くのマイナーがこぞってASICを用いてマイニングを行なっています。

マイニングがASICのみで行われると、仮想通貨のネットワークサーバーに大きな負荷がかかってしまうため、Moneroは当初マイニングにASICを利用できないような仕組みをとっていました。

ASICは非常に高性能なため、マイニングに使われれば負荷は大きいものの、より早い取引処理が可能になります。

そういうわけで、Moneroの運営内でもASICをマイニングに利用できるようにするべきだという声が高まり、結果としてASICがマイニングに利用できるためにハードフォークを起こしてしまったのです。

Monero(モネロ)からのハードフォークによって誕生した仮想通貨は「MoneroV」や「Monero Classic」、「Monero Original」などがあります。

この他にもハードフォークしたと言われる仮想通貨は存在していますが、誕生して間もないため未だその詳しい動向などは明らかにはなっていません。

Monero(モネロ)の将来性

夜空に映るMoreno(モネロ)のマーク2018年の6月現在、Monero(モネロ)は去年の勢いに陰りが見えていますが、2018年はMoneroにとって大きな動きがある1年です。

セキュリティの向上や今まで未対応だったハードウォレットに対応、Moneroの取引手数料が軽減されるBulletProofsなど、Moneroの価格が大きく上昇しそうなことが2018年には数多く行われます。

したがって2017年のような大きな値上がりが再び、期待できるかもしれません。

Monero(モネロ)について特徴をまとめました。

  • Moneroは匿名性が高く、取引スピードが早いことが特徴の仮想通貨
  • リング署名、ステルスアドレスの2つが匿名性の高さの秘密
  • 可変的なブロックサイズによって取引スピードが早い
  • 匿名性の高さはMoneroの最大のメリットだが、悪用されたり規制の対象となる可能性もある

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