仮想通貨について調べていると頻繁にトークンという言葉を目にします。仮想通貨とトークンが同じ意味で使われているのかそうでないのか混乱してしまいます。そこで今回は仮想通貨とトークンの違いを簡単に説明します。
トークンとは何なのか?
仮想通貨に関するニュースを見ていると、頻繁にトークという言葉を見かけますね。
トークンが値上がり、仮想通貨が大幅値下げなど今はどっちの話をしているのか分からなくなってしまうことはありませんか?
仮想通貨を買おうと思って取引所を見ても、通貨と書かれている欄やトークンと書かれている欄がありますね。
仮想通貨とトークンの違いを知らないと、どっちを買えばいいのか迷ってしまいます。
実際、トークンと仮想通貨の違いが分からずに混乱してしまう方は非常に多いです。
そこで今回はトークンとは何か、仮想通貨との違いなどを簡単に解説していきます!
トークンを詳しく解説
トークンという言葉は日本語ではなく、英語であることは誰でも分かるかと思います。
ではトークンという言葉の意味を英語辞書で調べて見ましょう。
Google翻訳でトークン(token)の意味を調べてみると
Token :しるし、証拠品、代用貨幣
という検索結果が出てきました。
この中で仮想通貨に関係していそうな意味は代用通貨であると推測できますね。
どうやらトークンという言葉を仮想通貨の話題で使うときは、代用通貨という意味で使われているようです。
では代用通貨とはどういった意味になるのでしょうか?
次に見ていきたいと思います。
代用通貨とは
代用通貨とは文字通り、お金の代わりとして使われる物のことです。
私たちの身近な例で使われている代用通貨とは例えば、パチンコ玉やゲームセンターのメダルが挙げられます。
最近ではPASMOやSuicaの影響で使われることは少なくなっていますが、電車やバスの乗車券・切符もトークンの一種だということができます。
さらにはPASMOやSuicaなどの電子マネーも広い意味では代用通貨の一種と見なすことが可能なのです。
つまり代用通貨、トークンとは紙幣や硬貨ではないけれども、お金と同等の価値を持っているモノと言うことができます。
仮想通貨とトークン
代用通貨、トークンとは既存のお金の形はしてないけれど、お金の代わりとして見なされるモノだと言うことがお分かりいただけたかと思います。
しかしこの説明を聞いて、「既存のお金とは違うけれどお金の代わりになるモノってそれこそ仮想通貨のことじゃないの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。
仮想通貨はインターネット上の電子データを「お金と同等の価値を持っているモノ」だと皆が思っていることで価値が生まれています。
ですから御察しの通り、仮想通貨は代用通貨とも言うことができるのです。
トークンには先ほども出てきた電子マネーや切符など、他にも多くのお金の代わりに使われているものが含まれます。
なので仮想通貨=トークンと言うよりは、トークンという代用通貨の一種に仮想通貨が含まれていると言ったほうが正しいかもしれません。
もっと詳しくいうと?
仮想通貨はトークンの一部に含まれている代用通貨のこと、という認識でもあまり困ることは無いかと思います。
難しく考えたくない、という方は仮想通貨=代用通過という認識で全く構いません。
ですが仮想通貨とトークンの関係をより詳しく知りたい、という方のために少し技術的な話も織り交ぜてトークンと仮想通貨の関係を明らかにして行きましょう。
技術的な表現を入れて仮想通貨とトークンの関係を表すのなら、「仮想通貨のブロックチェーン技術を用いて生まれた通貨がトークン」、と言うことができます。
いきなり難しい表現を使ってしまいましたが、より詳しく説明していきますので安心してくださいね。
ブロックチェーン技術とは、様々な情報を1つにまとめてそれぞれのデータを繋ぎ合せる技術のことです。
情報をまとめたものをブロックと言い、それらを鎖のように繋ぐのでブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーン技術を使うことで、悪者からのハッキングができない、仮想通貨の不正利用が不可能になる、通貨の送受金の取引記録が安全に保存されるといったメリットがあります。
ですからブロックチェーン技術は仮想通貨の仕組みを支えていると言っても全く過言ではありません。
しかしながら、ほとんどの仮想通貨には中央銀行のような管理者がありません。
仮想通貨の送受金の記録をまとめたり、内部不正を防いだり、何者からのハッキングから通貨を守るといったことをする専門機関が存在しないのです。
せっかくブロックチェーン技術という素晴らしい技術に仮想通貨が守られていても、それを実行しない人がいないなら何の意味もありませんね。
では、誰がブロックチェーン技術を用いて仮想通貨の売買記録を作成したり、取引記録を保存したりするのでしょうか?
それは仮想通貨を持っている私達、一般人が行うのです。
ブロックチェーン技術を運用して仮想通貨のシステムを支えること、これをマイニングと言います。
マイニングに関してはもっと詳しい解説がしてある記事がありますので、興味がある方はそちらをご覧ください。
ここではマイニングに関しても専門的な用語で話してしまうと、肝心のトークンについての理解が難しくなってしまうので控えておきます。
ですので簡単にマイニングとは、ブロックチェーン技術を使って仮想通貨のシステムを支えるお手伝い、だと考えてください。
とはいえ、お手伝いといってもマイニングは個人が簡単にできるものではありません。
マイニングを行うには高度な知識と専門のコンピューターが必要になります。
また、そのコンピューターを動かすには電気代も多くかかります。
いくら仮想通貨を支える為と言っても、専門の知識と高価なコンピューターと電気代が必要なマイニングを誰もやりたくはありませんよね。
ですがほとんどの仮想通貨には管理者がいないため、仮想通貨を売買したり使ったりするには誰かがマイニングをしなくてはいけません。
そこで面倒なマイニングをしてくれたお礼として、マイニングを行った者には報酬として仮想通貨が支払われるのです。
お手伝いと言っても、マイニングの報酬は決して少なくはありません。
例えば有名な仮想通貨であるビットコインの場合、マイニングの報酬として何と数百万円分ものビットコインがマイニングの成功者に支払われます。
お手伝いと言っても、友達や両親の手伝いをしてもらえるお金の額ではありませんね。
ですから世界中の人が高価なコンピューターを買って、我先にとマイニングをしているのです。
そしてマイニングの報酬として受け取る報酬の仮想通貨こそが本当の意味でのトークンになります。
これで冒頭にトークンとは仮想通貨のブロックチェーン技術を用いて生まれた通貨のことだと述べた理由がお分かりでしょうか?
仮想通貨には2種類ある
トークンとはマイニングによって得られる報酬の仮想通貨のことです。
しかし、全ての仮想通貨がマイニングをできるわけではありません。
実は仮想通貨には、マイニングによって新たな通貨が発行される仮想通貨と、通貨の発行者が存在する仮想通貨の2つがあります。
カレンシータイプの仮想通貨
カレンシーとは日本語で通貨、という意味です。
カレンシータイプの仮想通貨を直訳すると、仮想通貨の通貨タイプになってしまいます。
言葉の意味だけを見ると、何だかややこしい気もしますね。
ですからあまり言葉の意味は考えずにそう言う名前なんだと思って覚えるようにしてください。
カレンシータイプの仮想通貨とは簡単に言うと、管理者がおらずマイニングによって通貨が新規発行される仮想通貨のことです。
通貨の発行枚数が予め決まっているため通貨の価値が下がらないということと、可能性は低いもののマイニングによって世界中の誰でも通貨を獲得するチャンスがあるというのがカレンシータイプのメリットです。
カレンシータイプの仮想通貨にはビットコインやリップル、イーサリアムがを例として挙げることができます。
どれも有名な仮想通貨ばかりですので、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
現在は世界中で1000種類以上あると言われている仮想通貨ですが、そのほとんどのカレンシータイプに属する仮想通貨です。
中でもビットコインは全ての仮想通貨の元となった仮想通貨と言われています。
先ほども言ったとおり、カレンシータイプの仮想通貨と言うと少し分かりづらい表現ですがビットコインの仕組みを真似て作られた本家の仮想通貨だ、とイメージするといいかもしれません。
アセットタイプの仮想通貨
アセットは日本語で言うと資産、という意味になります。
こちらもカレンシータイプ同様に、言葉の意味だけではどういう仮想通貨なのか分かりづらいかもしれませんね。
アセットタイプの仮想通貨の1番の特徴はマイニングができない、ということです。
通貨を管理する管理者が存在していて、管理者が通貨の発行量や市場への流通量を管理しています。
ここで今の説明を聞いて、おやっと思った方もいるかもしれません。
仮想通貨には中央銀行のような取引記録を管理したり、通貨を発行したりする管理者がいない、というのが一般的な考え方です。
事実、仮想通貨について書かれているサイトを見ても必ずと言っていいほど、仮想通貨には管理者がいないと書かれています。
ですが実際に、仮想通貨には管理者が存在する通貨もあるのです。
仮想通貨には管理者がいない、と言う説明は決して間違っているわけではないのですが、管理者がいない仮想通貨とはカレンシータイプの仮想通貨のことです。
アセットタイプの仮想通貨にはれっきとした中央銀行のような管理者がいて、発行量や流通量は管理者に管理されています。
もっと言うと、アセットタイプの仮想通貨はマイニングができません。
アセットタイプの仮想通貨を手に入れるには、市場に出ている通貨を自分で購入する以外方法は無いのです。
カレンシータイプの仮想通貨との1番の違いは、管理者がいてマイニングができないこと、と覚えてください。
アセットタイプの仮想通貨には、アウガーやゴーレムといった仮想通貨が例としてあげることができます。
こちらはカレンシータイプの仮想通貨に比べて、知名度が少し低くなってしまうのではないでしょうか?
実際にアセットタイプの仮想通貨はカレンシータイプの仮想通貨と比べて圧倒的にその数は少なくなります。
また、全ての仮想通貨はビットコインの仕組みを元にして作られています。
そのビットコインはカレンシータイプに分類することができるので、アセットタイプは言わばカレンシータイプの分家とも言うべき存在なのです。
ですから数が少なく分家であるアセットタイプの仮想通貨は省略されてカレンシータイプの仮想通貨の特徴である、仮想通貨には管理者がいない、という見方が一般的なのかもしれません。
結局トークンとは何なのか?
この文章の中盤でトークンとはマイニングによって得られる通貨のこと、とお話ししました。
ですがマイニングが不可能である仮想通貨も存在することもつい前に触れましたね。
ではマイニングが不可能なアセットタイプの仮想通貨はトークンには含まれないのでしょうか?
厳密に言うとアセットタイプの仮想通貨がトークンと呼ぶべきかどうかは微妙なところです。
しかし、便宜上トークンだと言うことができます。
なぜかと言うと、そもそも仮想通貨はカレンシータイプのビットコインを元に作られてた通貨であり、アセットタイプの仮想通貨は数も少なくカレンシータイプの仮想通貨の言わば派生に過ぎません。
そのため一般的には、仮想通貨と言うとカレンシータイプの仮想通貨を指します。
また、トークンは代用通貨という言う意味があり、単に既存の通貨の代わりになるモノという意味では全ての仮想通貨がトークンであるとも言うことができます。
ここまで説明するのに多少回りくどいところもありましたが結論として、トークン≒仮想通貨の認識で全く問題はありません。
より詳しく説明するなら トークン⊇仮想通貨 となります。
これは電子マネーや切符・メダルなど数あるトークンの中に、仮想通貨が含まれているという意味です。
もっと具体的に言うなら、仮想通貨のマイニングによって得られる通貨がトークンと言うことになります。
繰り返しですがトークンについて概要だけ理解できればそれでいい、という方は仮想通貨とトークンはほぼ同じ、という認識で構いません。
ですが少なくとも、仮想通貨には管理者がいてマイニングができないアセットタイプの仮想通貨も存在すると言うことは頭に入れておいてください。
最後に
トークンについての説明でしたが途中でマイニングやブロックチェーン、カレンシータイプの仮想通貨とアセットタイプの仮想通貨の話などが入ってきて少し分かりづらくなってしまったかもしれません。
しかしながら、仮想通貨の仕組みは様々な技術が重なり合って成り立っています。
ですから仮想通貨の仕組みや、仮想通貨に関する何か1つの言葉について知ろうと思っても、仮想通貨の全体の体系について分かっていないと理解するのは難しいのです。
覚えるのが面倒くさい、と思う方もいるかもしれませんが、1つの言葉を素人勉強すれば自動的に仮想通貨の仕組みについて知ることができます。
そう考えれば、仮想通貨について勉強するのも、あまり苦では無いかもしれませんね。