Zcash(ジーキャッシュ)トークン

Zcash(ジーキャッシュ)はDASH(ダッシュ)やBytecoin(バイトコイン)、Monero(モネロ)といった匿名性の高い仮想通貨の中でも、特に匿名性の高い仮想通貨です。Zcash(ジーキャッシュ)で使われている技術や特徴、価格チャート分析、将来性を含めてZcashを簡単に解説します。

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Zcash(ジーキャッシュ)の基礎知識

ジーキャッシュのロゴ

Zcash(ジーキャッシュ)は2016年に発行された仮想通貨で、通貨単位はZECで表されます。
2018年5月現在は1ZECあたり約3万5千円で取引がされていますが、過去にはなんと1ZECあたり40万円台で取引がされたこともあります。
時価総額では20位台に位置しています。

そんなZcashは匿名性が高いことで有名な仮想通貨です。
また通貨の発行上限枚数が2100万枚であることやマイニングの半減期がある、取引承認の方法にPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用していることなどビットコインと似た性質を多く持っており、そのためZcashは匿名性が高いビットコインとも呼ばれます。

では次に、Zcashの特徴である匿名性の高さについて、詳しく見ていきましょう。

Zcash(ジーキャッシュ)の特徴

仮想通貨を持って穴から見つめる女性

ビットコインは公開帳簿式とも呼ばれ、通貨の取引記録が管理・保存されているブロックチェーンを照合すれば、誰が・誰に・いくら・ビットコインを送金したかが分かるようになっています。
(もちろん、ビットコインのアドレス、銀行口座のようなものが分かるだけで取引記録から個人情報までが特定されるわけではありません)
中央銀行のような管理者が存在しないビットコインでは、参加者が誰でも通貨の取引記録を確認できることは、参加者全員でビットコインの管理を行うとともに、不正が行われていないかチェックする役割も果たしていることになります。

透明性が高いことで不正が行われないようになっているのですが反面、匿名性はほぼ無いと言えます。

一方のZcashは匿名性が高いことが特徴で、他者からは誰が・誰に・いくらZcashを送金したかは分からないようになっています。
Zcashのアドレスも分からないだけではなく、送金した金額も他人に知られることはありません。

そのため通貨の保有量が多い人がハッカーに集中的に狙われるという心配がなく、ユーザーは安心して送金を行うことができます。

Zcashの匿名性の高さの秘密は、シールドトランザクションとzk-SNARKs(ゼロ知識証明)にあります。
それぞれ順に、解説していきます。

シールドトランザクション

シールド・トランザクションとはその名のとおり、取引(トランザクション)を隠す(シールド)技術のことです。
Zcashの利用者はシールドアドレスと呼ばれる特殊なアドレスを使ってZcashの送受金を行います。

シールドアドレスにより、利用者は匿名で通貨の送受金をすることができます。

zk-SNARKs(ゼロ知識証明)

zk-SNARK(ゼロ知識証明)とは自分が知っている秘密の内容を他人に知られることなく、他者にその秘密は確かに存在し事実であると証明する方法のことです。

Zcashでは送受金を行う人同士でも相手のアドレスを知ることはできません。
もしゼロ知識証明がないと、相手が本当にZcashアドレスを持っているのか?本当にZcashを送金してくれるのか?とお互いに不信感を抱いてしまいます。
匿名同士でも信頼して送受金を行うために、ゼロ知識証明は必要な技術です。

ゼロ知識証明は少し抽象的で難しい概念ですが、自分が知っている秘密をアドレスやZcashの送金額としてイメージすると分かりやすいかと思います。
つまりゼロ知識証明とは、自分のアドレス・Zcashの送金額を他人に知られることなく、自分がアドレスを持っておりZcashも保有していることを証明する、ということです。

以上2つのシールドトランザクションと、zk-SNARK(ゼロ知識証明)をZcashの匿名性の高さの秘密と覚えておいてください。

Zcash(ジーキャッシュ)のメリットは?

明るい表情で腕を組む女性

Zcashのメリットは言うまでもなく、匿名性が高いことです。

ビットコインを例にとると、ビットコインはどのアドレスからどのアドレスにいくら送金がされた、どのアドレスが今いくらビットコインを持っている、ということがブロックチェーンを見れば誰でも分かるようになっています。
透過性が高いということでビットコインは成り立っている側面もあるのですが、反対にビットコインを多く持っている人がハッカーに知られてしまうのでハッカーに狙われやすいという側面もあります。

他にもDASHやBytecoinなど、匿名で送金ができる仮想通貨はありますが、Zcashは匿名で送金ができるだけでなく送受金の金額まで知られることはありません。

Zcashのデメリットは?

たくさんの札束を持つ男性

匿名性が高い、ということはZcashのメリットですが、逆にZcashのデメリットにもなりえます。

匿名性の高さを悪用して、Zcashがマネーロンダリングなどの不正に利用されてしまう可能性があるのです。
事実、過去にはZcashが盗品などを売買する闇サイトで決済に使用されていたということがあります。

Zcashが悪用されてしまうと、Zcashが規制の対象となってしまう恐れが出てきます。
もしZcashが国によって利用を規制されることがあれば、Zcashの価格が暴落するのは避けられないでしょう。

またMoneroやDASH、Bytecoinなどといった匿名性の高さを売りにしている他の仮想通貨との競合もZcashに投資する上では気になるところです。
DASHは現在時価総額で12位、Moneroは13位、Bytecoinは17位と、それぞれZcash(23位)よりも上に位置しています。

すでに、ライバルに水を開けられているZcashはいささか分が悪いと言えます。

Zcash(ZEC)の価格推移・チャート分析

チャート

Zcashは2016年の10月に発行され、発行当初はその匿名性の高さに注目が集まりいきなりに高騰を見せました。
なんと発行直後に1ZECあたり、約40万円まで価格が上がります。
しかしながら高騰の反動からかすぐに暴落し、2017年の初め頃は1ZECあたり約3000円で取引がされていました。

これは約130%の下落率で、値動きが激しい仮想通貨の中でもこの下落率は目を見張るものがあります。

その後、2017年の5月にアメリカの大手銀行であるJPモルガンと提携を発表したことで価格が上昇し1ZEC、約4万円にまでなりました。
さらに9月には韓国の大手取引所、Bithubに上場を果たし12月は仮想通貨市場全体が盛り上がりを見せたことから1ZEC、約7万円の値がつきます。

しかしながら、2018年の1月に中国やアメリカなど各国が仮想通貨に対して規制を強めることを示唆した影響で、2万円前後まで下落してしまいます。

2018年5月現在は少しづつですが、回復の兆しを見せています。

Zcash(ジーキャッシュ)のロードマップ&今後の開発予定

原っぱの宝箱

Zcashでは2018年にパフォーマンス・ユーザビリティ・セキュリティを向上させるための大型アップデートが2回行われる予定です。
1つ目のアップデートはOverWinterと呼ばれるフェーズで、2018年の6月頃に行われ、
2つ目のアップデートはSaplingと呼ばれるフェーズで、2018年の9月頃に行われるそうです。

これらの2つのアップデートが行われる前後には、Zcashの値動きをチェックした方がよさそうです。

他にもシールドアドレスを任意で公開できるようになる機能や、Zcashのプラットフォーム上でICOを行えるようになるための開発も行われています。

Zcash(ZEC)の将来性は?価格は上がる?

携帯を持って嬉しそうな表情の女性

Zcashは発行直後に1ZECあたり40万円までになりましたが、さすがに今後そこまでの価格上昇は起こらないでしょう。

他の匿名性が高い仮想通貨の中でも、Zcashは特に匿名性が高いという利点がありますが、それでも他の仮想通貨との競合は気になるところです。
JPモルガンとの提携でも、Zcashの仮想通貨が採用されたわけではなく、Zcashのシステムが採用されたという背景もあります。

とはいえ今後Zcashの技術が金融機関に応用されることは十分に考えられますし、もしそうなればZcashの価格の上昇に繋がるでしょう。

結論として、Zcashが仮想通貨として将来的に日常生活で使われるかどうかは疑問があるものの、Zcashのシステム・技術が他に応用されることによる中期的な値上がりは期待できると思います。

Zcash(ジーキャッシュ)のまとめ

ピンボケのライトアップ

  • Zcashは匿名性が高いことが有名な仮想通貨
  • 匿名性の高さの秘密はシールドトランザクションとゼロ知識証明
  • 匿名で送受金ができるだけでなく、通貨の保有量も秘密にされる
  • 悪用されて、規制の対象となるリスクも
  • DASHやBytecoin、Moneroに時価総額で遅れを取っている
  • 2018年には大型アップデートが2つ予定されている→その前後で価格には要チェック

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