NEMのトークン

ハッキング事件の印象が強いNEM(ネム:XEM)ですが、新しい経済の仕組みを構築しようとするNEMには大きな可能性が秘められています。独自の技術アポスティーユやMijinなどを含め分かりやすくNEMについて解説します!

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NEM(ネム)の基礎知識

NEMのトークン

NEM(ネム)は、New・Economy・Movementのそれぞれの頭文字を取った略語です。
直訳すると[新しい経済活動]という意味になります。

NEMは既存の政府や大企業、銀行などに縛られることない新しい経済の仕組みを構築することを目的に開発がされました。

ちなみに、ビットコインが開発された理由は、既存の政府、銀行に縛られることない通貨を作ることであり、NEMはビットコインの思想よりも一歩進んでいるとも言えます。

新たな経済が行われるNEMのブロックチェーン上で使われる通貨が仮想通貨としてのNEMであり、通貨単位はXEM(ゼム)で表されます。

NEMは総発行量の89億9千9百99万9千9百99)がすでに発行されているためマイニングはありません。

マイニングによって新しい通貨が発行されることはありませんが、NEMでも他の通貨同様に取引の承認作業が行われる必要があります。

NEMでは通貨の承認作業のことをハーベスト(収穫という意味の英語)と言います。

ハーベスト(収穫)

NEM(ネム)は通貨の発行枚数がすでに、上限分発行されています。

そのため、通貨の取引承認の方法にはマイニングではなく、ハーベストと呼ばれる方法が使われています。
ハーベストとは、簡単に言えばNEMの取引承認を行なった人に対して、与えられる報酬のことです。

取引承認を行なった人への報酬はマイニングでもありますが、マイニングは早い者勝ちの競争です。

より高性能なコンピューターを持っている人だけがマイニングを行うことができ、多額の報酬を受け取ることができます。
そのため、マイニングはしばしば中央集権化だとして多くの批判を受けています。

新しい経済の仕組みを構築しようとするNEMでは、特定の組織・個人による利益の独り占めは許されません。
ハーベストで配布される報酬は承認作業を行い、かつ条件を満たせば誰でも受け取ることができます。

その条件とは、10,000NEMを保有していること、という1つだけです。
2018年10月現在、1XEMは約11円程度なので、10,000XEMはだいたい11万円です。
もちろん少ない金額ではありませんが、誰でも報酬を受け取れるような良心的な価格に設定されています。

とはいえ条件を満たして承認作業を行っても、報酬は均等に分けられるわけではありません。

NEMの保有量やNEMの取引回数などによって、その人がどれくらいNEMの発展に貢献しているかが算出され、順位づけされます。
その順位によって配布される報酬の金額が決められるのです。

このNEMの承認方法のことをPoI(Proof of Importance)と言います。
直訳すると、「重要性の証明」、という意味で、NEMにとってどれだけ重要な人間なのかによってハーベストで受け取る報酬の金額が変わるため、この名前がついています。

PoIによる重要性の算出方法は明かされてはいませんが、ただNEMを多く持っていれば良いわけでもなく、一定以上の取引回数が無いと重要性を認められないようになっています。
逆にいえば、お金が無くてNEMを少ししか持っていなくても頻繁にNEMの取引を行えばNEMにとっての重要性が増し、たくさんの報酬が貰えるようになっているのです。

このようにお金がたくさん持っている人だけが得をするわけではない経済こそがNEMが目指している経済活動です。

NEM(ネム)の特徴

色々なインターネットアイコン

NEM(ネム)にはハーベストの他にも、多くの特徴があります。
順に見ていきましょう。

アポスティーユ (公証)

NEMはイーサリアム同様に、スマートコントラクト 機能が備わっています。
スマートコントラクトとは、契約の自動化とも言われ、予め条件を決めておクレジットカードことでその条件が満たされたときに自動で契約が履行されるようにする仕組みのことです。
スマートコントラクトには、仲介者が不要になる、信用性が高い取引ができるようになる、といったメリットがあります。

NEMのスマートコントラクト はアポスティーユ と呼ばれます。
アポスティーユ とは英語Apostilleと言い、日本語で公的証明書とも言われます。

NEMのスマートコントラクト 、アポスティーユはイーサリアムのスマートコントラクト よりも一般人向けに作られているのが特徴です。
スマートコントラクト には一度、交わした契約は改ざん不可能であるという特徴があります。
それを利用して、アポスティーユは一般人の証明書の発行や土地、財産などの所有権や売買の契約書などを記録・管理することができます。
アポスティーユは4XEMの手数料を払えば誰でも利用することができます。
現在は1XEMあたり11円程度ですから、なんとたったの44円でアポスティーユを利用できることになります。

ネームスペース&モザイク

ネームスペースとは、NEMのブロックチェーン上に作れる自分自身のアドレスことです。
NEMのブロックチェーン上に、自分自身のプライベート空間を作れるイメージです。

そしてそのネームスペースの中で、自分オリジナルの仮想通貨を作ることができます。
これがモザイクと呼ばれる機能です。

モザイクで作った仮想通貨でICOをすることも可能ですし、通貨の発行上限枚数や承認方法などは自分で自由に決めることができます。

Mijin(ミジン)

Mijin(ミジン)は、日本の取引所Zaifを運営している会社テックビューローがNEMのブロックチェーン上で開発した仕組みです。
簡単に言えば、NEMのブロックチェーンを企業が利用できるように改良されて作られたブロックチェーンです。

NEMのブロックチェーンは誰でも利用できるパブリックなブロックチェーンなのに対して、mijinはプライベートなブロックチェーンになります。

NEMのホームページを見ると、Mijinを企業が利用することで 開発コストが低くなる・設備費用が低くなる・サーバーダウンによる情報の消失を防げる・同じmijinを利用する企業との取引費用が無料になるといったメリットがあると書かれています。

またMijinのブロックチェーンは1秒間に4000件もの取引処理を行うことができます。
これにより、企業の生産性がはるかに向上することも期待されています。

NEM(XEM)の価格推移&チャート

NEMの価格チャート

NEM(ネム)は発行されてから2017年まで1XEMあたり、たったの数円と大きな値上がりもなく、たくさんある仮想通貨の中の1つという位置づけでした。

そんなNEMは2017年に大きな転機を迎えます。
なんと2017年の1年間で190倍も価格が上がったのです
理由としては、8月にZaifを運営するテックビューローがNEMと提携をしてICOプラットフォームであるCOSMAの開発を発表したことが挙げられます。
COSMAによって、NEMでもイーサリアム同様にブロックチェーン上でICOが行われるようになり、NEM発の仮想通貨が誕生するのではという期待が湧き起こりました。

また中国のメッセージアプリWeChatPay(中国の版LINEのようなもので、決済機能がついている)とNEMが業務提携を結んだというニュースが流れ、NEMの価格はさらに高騰します。

年明けには過去最高値である1XEMあたり約200円まで価格が上がりました。
しかしながらその後、NEMとWeChatPayの業務提携が誤報であったことが判明し、NEMの価格は下落に転じてしまいます。

その後2018年の1月26日に、日本の仮想通貨取引所であるコインチェックがハッキングされ、500億円ものNEMが流出してしまいました。
ハッキング事件、さらには盗まれたNEMが闇市で使用されているという噂が流れ、NEMの価格は大暴落してしまいます。

コインチェック事件の影響は?

パソコンに表示されるセキュリティーをクリック

NEMの価格推移を見て分かるとおり、コインチェックのハッキング事件でNEMが流出したことによってNEMの価格は暴落してしまいました。
とはいえ、そもそもハッキングされた原因はコインチェックの管理体制とセキュリティ対策に不備があったことが理由で、NEMのシステム自体がハッキングされたわけではありません。

NEMはセキュリティが脆弱、と誤解してしまっている人は多いのですが、それは間違いです。

またNEMを管理するNEM財団は事件後すぐにコインチェックへの支援を発表しました。
コインチェックのせいでNEMの信用性までが低下し、価格も暴落してしまったのにも関わらずコインチェックへの支援を発表したNEM財団には多くの賞賛の声が上がります。

さらに事件の2日後には盗まれたNEMを追跡するシステムを作り、盗まれたNEMが悪用されないようなシステムを開発したことを発表しました。
ハッキング事件がおきた場合の対処は予め考えられていたのでしょうが、NEM財団の素早い対応はNEM財団への評価をあげることになりました。

NEMの将来性は?価格は上がる?

パソコンで価格をチェックする男性

NEMは今後、カタパルトという大規模なアップデートが行われる予定です。
カタパルトとはNEMのエンジンであり、情報処理速度が格段に向上するとNEMのホームページに書かれています。

さらに、6XEMという少ない手数料で、NEMのスマートコントラクト 上に保有している自身の権利を他人に譲渡できたり、送金をする際に送金手数料が足りない場合でも自動でドルをNEMに換金してくれる、割引券をNEMで購入する際に割引額を自動で計算してくれるという機能も開発される予定となっています。

大型アップデートであるカタパルトが実行された後に、NEMの価格が上がるのは間違いありません。

今のところはカタパルトが行われる具体的な日にちは明らかになっていませんが、いつ実行されるか常にチェックしておきましょう。

NEM(XEM)のまとめ!

積まれたNEMトークン

  • NEMは新しい経済の仕組みを構築するために作られた仮想通貨
  • マイニングの代わりにハーベストという承認方法を採用している
  • アポスティーユ という独自のスマートコントラクト 機能を搭載
  • ネームスペース&モザイク機能によって、自分オリジナルの仮想通貨が作れる
  • 日本の取引所bitflyerを運営するテックビューローがNEMのブロックチェーンを改良して作ったプライベートブロックチェーン、Mijinを開発

 

2018年の4月にNEM専用の情報サイト「NEM MAP」が公開され、日本全国でNEMが決済に利用できるお店を検索することができたり、イベント情報が一覧で見ることができます。

NEMユーザーの方やNEMを決済に導入しようか考えている方は見てみてください。

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