Tezos(テゾス:XTZ)は信頼性の高いスマートコントラクトと分散型ガバナンスが特徴の仮想通貨です。Tezosの特徴や価格チャート、将来性からTezosが直面している訴訟問題まで含めてわかりやすく解説いたします。
Tezos(XTZ)のリアルタイム相場価格と時価総額ランキング
Tezos(XTZ)の相場価格と時価総額ランキングをリアルタイム表示
Tezos(テゾス)の基礎知識
Tezos(テゾス)は2017年の7月に公開された仮想通貨です。
ICOでは200億円以上もの資金を調達するに成功し、大きな話題となりました。
通貨単位はXTZで表され、2017年12月に記録した1XTZあたり約1000円が現在までの最高値となっています。
スマートコントラクト と分散型アプリケーションのプラットフォーム
Tezosはスマートコントラクト と分散型アプリケーション(dApp)の新しいプラットフォームを構築するために開発がされました。
そもそもTezosとはギリシャ語で「スマートコントラクト 」という意味の言葉で、そのためTezosはしばしばイーサリアムやEOSなどと対比されます。
Tezos(テゾス:XTZ)の特徴は?
Tezos(テゾス)の特徴として、コンセンサスアルゴリズム にdPoSを採用している、オンチェーンガバナンス、スマートコントラクト の検証機能が挙げられます。
順番に見ていきましょう。
コンセンサスアルゴリズム にdPoSを採用
コンセンサスアルゴリズムとは送受金などの取引を承認する方法のことで、メジャーなコンセンサスアルゴリズム にはPoW(Proof-ofWork)やPoS(Proof-of-Stake)などが挙げられます。
より高性能なコンピューターでより多くの計算を解いた人がマイニングを行うことができるPoWに対して、PoSは通貨の保有量によってマイニングを行うことができる人が決定されます。
Delegatedは日本語で委任された、という意味で、 dPoSでは委任された取引の承認者(ビットコインでいうマイナー)がブロック(取引情報)を承認します。
通貨の保有者によって取引承認を行うノードが決定されるので、ノードが必要以上に権限を有することがなく、予め取引処理を行うノードが決まっているため dPoSでは51%攻撃のリスクが低くなり、トランザクション処理が速い、マイニングの電力消費を抑えられるというメリットがあります。
Tezosではトランザクション処理のことをBaking(ベーキング)と呼び、ベーキングを行うノードはBaker(ベーカー)と呼ばれます。
オンチェーンガバナンス
Tezosでは開発内容や運営方針、プロジェクトなどはすべてトークン保有者による投票(多数決)によって決定されます。
またシステムに疑問を持った人が多くなった場合でも、Tezosはシステム修正時に前のバージョンと新しいバージョンに互換性を持たすことができるため、アップデートをしたとしてもハードフォークをすることはありません。
したがってアップデートをする際には通貨とコミュニティーを分裂させることなく、新旧両方のバージョンのいいとこ取りができます。
ビットコインではビットコインキャッシュやビットコインゴールド ・ダイヤモンド、イーサリアムではイーサリアムクラシックなどがそれぞれハードフォークによって誕生しており、その都度混乱を招いていますが、Tezosは安定した運営が行われます。
スマートコントラクト の検証機能
Tezosにはスマートコントラクトが正しく実行されているか、エラーやバグがないかどうかを検証するシステムが備わっています。
このシステムはFormal Verification(正式な検証)と呼ばれ、スマートコントラクト の信頼性をより高めらます。
したがってTezosのスマートコントラクト は国家間や企業間の大事な取引などで利用されると考えられています。
Tezos (テゾス:XTZ)のロードマップ&今後の開発予定
Tezos(テゾス)ではトークン保有者が開発方針などを決定するため、明確なロードマップは存在していません。
代わりにTezosのコミュニティーによると、「リング署名」や「ゼロ知識署名」などの技術を取り入れTezosにプライバシー性を取り入れたり、専用のウォレットを開発することが計画されています。
Tezos (テゾス:XTZ)の訴訟問題
Tezos(テゾス)では現在に至るまで半年以上、投資家による訴訟問題が勃発しています。
理由はTezosの開発チームが内部分裂を起こしてしまったことで、トークン配布などのプロジェクトに遅れが生じてしまったことにあります。
その結果、Tezosに投資をするはずだった投資家達から集団訴訟を起こされてしまい、Tezosに要求された賠償額はなんと2億ドル以上にも昇ります。
訴訟が起こされてから半年がたった現在でも解決にはいたっておらず、2018年7月にはTezosのコミュニティーから投資家達に訴訟を取りやめるよう嘆願書が出されました。
Tezos (XTZ)の価格推移&チャート
Tezosは2017年の7月に発行され、CoinMarketCapによると10月から1XTZあたり約170円から取引がスタートしています。
11月には前述の訴訟問題が起こったせいで価格を下げますが、それでもプロジェクト自体への期待値は高く、12月には1000円まで値上がりをしました。
しかしながらその後は価格が下落してしまい、発行から1年が経った2018年7月には過去最低値である1XTZあたり150円まで値下がりしてしまいます。
2018年10月現在は、1XTZあたり約140円前後で取引がされています。
Tezos(テゾス:XTZ)の将来性は?価格は上がる?
Tezosは時価総額ランキングでは常に上位に位置しており、信頼性の高いスマートコントラクトや分散ガバナンスなどそのプロジェクト・システムは多くの注目がされ、すでに確固たる地位を築いています。
しかしながら未だ解決の糸口が見えない訴訟問題が長引くようですと、価格がさらに下落してしまう恐れがあります。
特にコミュニティー主導の開発・運営なため、早期の解決が求められます。
Tezos(テゾス:XTZ)のまとめ!
- Tezos(テゾス)はスマートコントラクト と分散型アプリケーションのプラットフォームを構築するために開発された仮想通貨
- スマートコントラクト の検証機能であるFormal Verificationを備えており、信頼性の高いスマートコントラクト が特徴
- コミュニティー主導のガバナンスで、アップデートの際に前のバージョンと新しいバージョンに相互性を持たせられるためハードフォークが起こらない
- 開発チームの内部分裂により投資家から集団訴訟を起こされており、未だ解決の糸口は見えていない