QTUM(クアンタム)

Qtum(クアンタム)は仮想通貨の時価総額、トップ2のビットコインとイーサリアム両方の良いところを併せ持つ仮想通貨です。そんな夢のようなQtum(クアンタム)の基礎知識、特徴、2つの仮想通貨の何を取り入れているのか?といった情報を簡単に解説します。

クアンタム(Qtum)リアルタイム相場価格

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Qtum(クアンタム)の基礎知識

クアンタムコインイメージQtum(クアンタム)は2016年の12月にシンガポールのQtum財団(Foundaition)によって発行された仮想通貨です。

Qtum財団はシンガポールに籍がありますが、財団の創業者は中国の大手企業アリババの出身であり、そのため中国との関係が深いと言われています。

通貨単位はQTUMで表され、2018年6月現在は1QTUMあたり約1600円で取引がされています。

Qtumは2017年の3月に行ったICOで約15億円もの金額を調達したことで有名となり、時価総額は2000種類近くある仮想通貨の中でも20番内に位置するなど、成長著しい仮想通貨です。

そんなQtumをひとことで言うならば、

「ビットコインとイーサリアムに相互性を持たせて、両方のいいとこ取りをした仮想通貨」です。

ビットコインは言わずと知れた仮想通貨の大元であり、一方のイーサリアムは時価総額でビットコインに次いで2位に位置する仮想通貨です。

その2大仮想通貨を合わせたQtumとは一体、どのような仮想通貨なのでしょうか?

ビットコインとイーサリアムの夢の共演!

ビットコインとチェス盤ビットコインとイーサリアムにはそれぞれ良いところありますが、2つの仮想通貨には相互性が無く、どちらかの優れたところをどちらかに取り入れるのは不可能だと言われていました。

しかしながらそれを別の仮想通貨を作ることで実現したのが、Qtumです。

ではQtumはビットコイン、イーサリアムのそれぞれどのような優れた点を取り入れているのでしょうか?

順に見ていきましょう。

イーサリアムのスマートコントラクト

イーサリアムの1番の特徴に、スマートコントラクト と呼ばれるものがあります。

直訳で賢い契約といい、別名「契約の自動化」とも呼ばれます。

スマートコントラクトとは、予め条件を決めておき、その条件が満たされたときに、自動で契約が履行される仕組みのことです。
少し抽象的な概念ですが、スマートコントラクトの例としてよくあげられるのが自動販売機です。

自動販売機では、利用者が、①お金を払う ②商品を選択する、という2つの前提条件を満たすと、自動で商品が出てきます。

身近にあるなんの変哲も無い自動販売機がスマートコントラクト、と聞いてもあまり納得がいかないかもしれませんが、予め決められた条件が満たされて、自動で契約が履行されるという点でれっきとしたスマートコントラクトに例えることができます。

スマートコントラクトのメリットとして仲介者が不要となる、という点をあげることができます。

通常、ジュースを買いたいときは、コンビニやスーパーに行って買わなければいけません。
コンビニやスーパーという仲介者が消費者と製造者の間に存在することによって、利用者は手間が増え手数料の分、多くの金額を払わなければいけません。

一方の自動販売機の場合はメーカーから直接ジュースを購入することができます。
(自動販売機を作っている会社はありますが、その会社がジュースを売っているわけではないので仲介者としてはみなしません)
コンビニやスーパーという仲介者がいないため、利用者はより簡単に安くジュースを買うことができます。

またスマートコントラクト のもう1つのメリットに、信頼性が高いということも挙げられます。

コンビニやスーパーの場合だと店員さんがお釣りを間違えてしまったりすることがありますが、自動販売機は故障でもしない限り正常にお釣りが出てきます。

契約を自動化することで、人為的ミスを防ぐことができ信頼性の高い取引を行うことができます。

さらにスマートコントラクトには一度結ばれた契約を改ざんすることは不可能、という特徴もあります。

また自動販売機を例にとると、150円のジュースを私たちが勝手に価格を100円にを変えてしまうことはできません。

そのため、スマートコントラクトは公約や企業の大事な契約などに活用されることも期待されています。

まとめるとスマートコントラクトとは改ざん不可能な契約を定めることで、仲介者が不要になり・透明性・信用性が高い取引が可能となる技術のことです。

スマートコントラクト はアメリカの大手コンサルティング会社、ガートナーが選ぶ2018年の10大技術に入るなど、今大注目の技術であり、そのスマートコントラクトがQtumにも備わっているのです。

ビットコインのUTXO

QtumにはビットコインのUTXOという技術も備わっています。

UTXOとは、unspent transaction output の略語で、簡単に言ってしまえば銀行の通帳のように残高を記録するのではなく、取引した通貨の動きから残高を算出する技術のことです。

銀行のように残高自体を記録する方法の例として、例えばAさんは自分が持っている1万円のうち、半分の5千円をBさんに送金したいとします。
この時、Aさんの通帳の残高には1万円から5千円を引いた、残りの5千円が記録されます。

次にビットコインやQtumのUTXOで、同じように持っている1万コインの半分の5千コインを送金したいとして考えてみましょう。
Aさんが5千コインをBさんに送金するところまでは先ほどと同じなのですが、UTXOでは取引を元に残高を算出するため、Aさんは本来は手元に残しておけばいい残りの5千コインを自分宛に送金する必要があります。

一見、煩雑そうに見えるUTXOですが、あえて取引を複雑にすることによって外部から見たときに通貨の動きが分かりにくくなり、プライバシーを保護できるというメリットがあります。

銀行のような中央管理者が存在しないビットコインの場合、利用者の匿名性を保護することは非常に大事な問題です。

ビットコインではこのようにUTXOによって、利用者の匿名性を担保しているのです。

またUTXOのもう1つのメリットに、ブロックチェーンにある全ての取引記録をダウンロードしなくても利用できる、という点があります。
ブロックチェーン上にある膨大なデータをダウンロードしなくてもいいため通貨を管理するウォレットが軽くなり、スマートフォンやタブレットからでも通貨の送受金が行えるようになります。

UTXOを実装したQtumの専用ウォレットは非常に軽いため、別名ライトニング(Lightning…軽い)ウォレットとも呼ばれます。

イーサリアムの場合ですと、ウォレットにブロックチェーン上の取引記録を全てダウンロードする必要があります。

そのためデータが膨大になってしまいイーサリアムのウォレットはとても動作が重く、フリーズしてしまうことも多々あるほどです。

QtumはビットコインのUTXOを取り入れたため、イーサリアムのスマートコントラクトを手軽に利用することが可能となったのです。

Qtum(クアンタム)のユースケース

クアンタムの使用例Qtumのホワイトペーパーを見ると、Qtumはビジネスネットワークを構築するために開発されたと書かれています。

Qtumのブロックチェーン上で企業が情報の管理をすることで、より早く簡潔な取引が可能になります。

また、Qtumのプラットフォーム上で企業間の取引が行われるようになれば、Qtumが製品の流通のハブとなることも想定されています。

QTUM(クアンタム)の価格推移

qtum(クアンタム)の価格表仮想通貨Qtumは2017年の6月に取引が開始されました。

取引開始後は価格が多少上下したものの、9月には1ヶ月間で50%以上もの下落をしてしまいます。

その後は12月頃までは1QTUMあたり1000円台前半を推移していましたが、仮想通貨市場全体の盛り上がりと共に高騰し、1QTUM、7000円にまで価格が上がりました。

さらにサンフランシスコの投資銀行Bancaと提携を発表したことで、年明けの2018年1月には1QTUMあたり1万円の過去最高値を叩き出します。

その後アメリカ証券取引委員会が仮想通貨の規制を示唆したことでQtumもほかの仮想通貨同様に価格が下落してしまい、2018年5月現在は1QTUMあたり約2000円で取引がされています。

Qtum(クアンタム)の将来性は?

qtum(クアンタム)が上昇するイメージ先ほども述べたとおり、Qtumはビジネスのネットワークを構築するために開発がされました。

すでにQtumのプラットフォーム上では企業がスマートコントラクト を利用できるようになったり、サーチエンジンを利用できるようにするためのソフトウェアが多く開発されています。

さらに今後はイーサリアムのようにプラットフォーム上で企業が自社のオリジナルトークンを作り、ICOをすることも可能になるようです。

またQtumのロードマップを見ると、Qbaウォレットやアンドロイド専用ウォレット、MyQtumウォレット、メッセージ機能がついたSomaウォレット、iPhone用のウォレットなど、今後はウォレットを中心に開発が進められていくようです。

Qtumの価格が今後上がるかどうかはQtumのプラットフォームを利用する企業の数が増えるかどうかにかかっていますが、スマートコントラクトを手軽に利用できるというQtumには多くの企業が注目をしており、将来性は十分にある仮想通貨です。

Qtum(クアンタム)のまとめ

クアンタムについての情報をまとめる様子

  • Qtumはイーサリアムのスマートコントラクトと、ビットコインのUTXOを兼ね備えた仮想通貨でスマートコントラクト を手軽に利用できるというのが特徴
  • ビジネスネットワークを構築し、製品流通のハブとなる目的で開発がされた
  • 今後価格が上がるかどうかはQtumのネットワークを利用する企業が増えるかどうか次第

    Qtumはビットコインとイーサリアム両方の性質を兼ね備えているので、双方の価格変動に影響を受けやすいという側面があります。

    そのためQtumに投資をする際は、ビットコインとイーサリアムの価格も同時に注視する必要があるという点は留意してください。

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