ライトコイン(Litecoin)はビットコイン(Bitcoin)の弱点を補完した実用性重視の仮想通貨と言われています。そんなライトコインの要点だけをまとめ、メリットやリスク、気になるライトコインの将来性も含めて徹底解説します!
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ライトコイン(LiteCoin)とは?
ライトコイン(Litecoin)は2011年10月7日に元Googleのエンジニア、Charlie Lee(チャーリー・リー)によって開発された仮想通貨です。
その後も順調に成長を続けており、全仮想通貨の時価総額ランキングでも常に上位に位置しています。
ライトコインをひと言で表すなら、「ビットコイン(Bitcoin)の問題点を補完した、実用性重視の仮想通貨」です。
ライトコインは、日常生活で使われることを想定して作られました。
つまり、コンビニで物を買うときや、支払いをする際に使える仮想通貨として開発がされたのです。
いま現在、2000種類近くある仮想通貨の中で最も、実用化に近い仮想通貨かもしれません。
また、ビットコインの問題とはズバリ、送金にかかる時間とお金です。
ビットコインは送金が完了されるまでに、およそ10分程度の時間がかかると言われています。
既存の通貨に比べればビットコインの送金時間は桁違いに早いのですが(既存の通貨は国外送金しようとすると、数日かかることもあります)、ビットコインの人気が高まり多くの人がビットコインを送金しようとすると、取引処理に手間取り、送金が完了されるまでに時間がかかってしまいます。
これをスケーラビリティ問題といいます。
手数料を高く設定することで、ビットコインの送金時間を短くすることはできるのですが、ビットコインの価格が急騰したため、送金手数料もバカにならない金額となってしまいました。
これでは日常生活で使うには不便だとして作られたのがライトコインなのです。
よく、「ビットコインが金ならば、ライトコインは銀」だと言われます。
金は価格が高く価値が高いものの、実用には向いていません。
金で支払い、なんてないたことありませんよね?
一方の銀は、金よりは価格が低いものの、中世のヨーロッパでは実際に支払いなどに使われていました。
資産の金、使用の銀が、時を超えて現代のビットコインとライトコインにそのまま相当しているのです。
ビットコインとライトコインの比較!
ライトコインはビットコインのスケーラビリティ 問題を補うために開発がされました。
そのため、しばしばライトコインとビットコインは比較されることが多いです。
ですので、ライトコインを理解するために、ビットコインと比べてみることにしましょう。
ライトコインはビットコインをより、実用性を持たせて開発をされています。
例えば、通貨の発行枚数はビットコインが2100万枚なのに対して、ライトコインは4倍の8400万枚です。
これは世界中でビットコインが使われるには、通貨の枚数が少なすぎる、とライトコインの開発者が判断したためです。
ここでもライトコインが実用化を意識していることが現れていますね。
そして、通貨の取引時間(送金時間)はビットコインが10分なのに対して、ライトコインはその4分の1である、2・5分となっています。
現在のビットコインは取引量・数の多さから送金詰まりを起こしており、取引が完了されるまでに数時間かかってしまうことがあります。
さらに、送金手数料は、それぞれのウォレット間の場合、ビットコインが1回あたり数千円のところ、ライトコインはわずか数十円しかかかりません。
こうして比べてみると、いかにライトコインがビットコインよりも実用性のある仮想通貨だということが分かると思います。
ライトコインの技術・サービスを解説
ライトコインは、実用性を持たせるために、ビットコインにはない独自の技術やサービスが開発されています。
ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークとは、個人間でライトコインを送受金するための送金ネットワークのことです。
ビットコインなどの仮想通貨は、送受金をする際に、その情報をブロックチェーン上に記録する必要があります。
そのため、ブロックチェーンに記録されまでに時間がかかってしまいます(スケーラビリティ 問題)、ビットコインやイーサリアムは特に、このスケーラビリティ問題が顕著となっています。
そこでブロックチェーンに記録する手間を省き、省略してしまおう というのがライトニングネットワークです。
ブロックチェーンを省略できるため、より一層、送金スピードを速くすることができます。
さらには個人間でのライトコインの送金が可能となるため、より私たちの生活でライトコインが使える機会が増えることが期待されています。
LitePay(ライトペイ) & LitePal(ライトパル)
LitePay(ライトペイ)とは、ライトコイン専用の決済端末のことです。
最近、お店でよくみる「LINE Pey(ラインペイ)」や「楽天Pay」などの、「ライトコイン」バージョンだと思ってください。
ライトペイが普及すれば、ライトコインをコンビニや飲食店で使うことができるようになります。
ライトペイは世界70カ国で普及される見通しで、ライトコインが実用化に至るファーストステップと目されていたのです。
ところがこのライトペイは、発表からわずか数ヶ月で中止となってしまいました。
理由はライトペイの広告が過剰すぎると批判を受けたことと、「ライトペイが利用できる」と宣伝をして、お客からお金をだまし取ろうとした店が激増したことです。
ライトペイの中止発表に伴い、ライトコインの価格は一時、30%も下落をしてしまいました。
ライトコインの普及・実用化は失敗に終わってしまいましたが、今後は別の形でライトコインが日常生活で使われるような方法が取られるでしょうし、ライトコイン自体が失敗したと捉えるのは時期尚早です。
事実、ライトコインはその後ライトコインで決済できるデビットカードや、スマートフォンでライトコインを決済できるLitePal(ライトパル)を2018年の夏頃に開始すると公言しています。
クレジットカードの決済代行会社がライトコインの決済を導入したというニュースもありますし、ライトペイの失敗を糧にライトコインが実用化に至る可能性は十分にあります。
ライトコインのメリットを説明
ライトコインについて理解していただいたところで、ライトコインのメリットを見てみましょう。
① 送金が早い・安い
すでに繰り返し述べているとおり、ライトコインは送金が速く、手数料も他の仮想通貨より低いというメリットがあります。
ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨で、処理速度の低下による送金遅延が問題となっている今、ライトコインの需要は今後、高くなる可能性は大いにあります。
② 実用性に特化している
ビットコインが誕生して以来、リップルやイーサリアムなど多くの仮想通貨が登場してきていますが、その多くはブロックチェーン技術を応用した仮想通貨以外の別の事業である場合があります。
しかしながら、ライトコインの場合、最初から日常生活で使われることを想定して作られています。
そのため、こと実用という面においては、ライトコインは他の仮想通貨よりも先を行っていると言うことができます。
今は、値動きが激しい仮想通貨は投資の対象として買われていることが多いですが、今後、仮想通貨の価格が安定して実際に使うという段階になったとき、優位な立場にいるのはライトコインでしょう。
③ 他の優れた技術を取り込める
ビットコインは世界初の仮想通貨で、多くの仮想通貨の大元となっています。
ライトコインもその例外ではなく、ライトコインはビットコインのソースコードを参考にして作られています。
そのため、ビットコイン側で優れた開発が行われた場合、すぐにライトコインにもその技術を応用することができます。
例えば、過去にビットコインでSegwitが行われた場合、ライトコイン側でもSegwitが実施される、ということがありました。
Segwitとは、取引の圧縮のことで、取引を早く処理することが可能になる技術のことです。
取引が早くなるということは、送金スピードが早くなるということに繋がります。
このように、ビットコインの優れた技術をライトコインはいち早く取り込むことができます。
また、ライトコインだけではなく、ビットコインを参考にして作られた仮想通貨はたくさん存在します。
そのどれかで、同様に優れた開発が行われれば、ライトコインにその技術が転用されることもあるでしょう。
ビットコインを真似て作られていることで、多くの技術を取り込んで発展することができる、というのもライトコインのメリットなのです。
ライトコインのデメリット・リスクを説明
ライトコインのメリットについて見てきましたので、次はライトコインのデメリットについて見てみましょう。
① セキュリティに不安が残る
ライトコインはビットコインに比べて、取引が行われるスピードが4分の1だと先ほどお話ししました。
ライトコインはこの取引スピードを誇る代わりに、セキュリティにはやや不安が残ります。
なぜかと言うと、ライトコインの取引スピードの秘密は、取引処理が簡略化されていることにあります。
つまり、ライトコインはビットコインに比べてマイニングが簡単である、ということです。
マイニングとは、通貨の取引記録を作り、それをチェーンのように1つに繋いでいくことです。
これをブロックチェーンと言います。
個々の情報を1つに繋いでしまうため、情報の漏洩、改ざんといった不正が起こりにくくなります。
したがってマイニングは情報の保護というセキュリティも担っているのです。
ライトコインの場合、このマイニングが簡略化されているため、セキュリティには少し不安があります。
言うならば、ライトコインはセキュリティを犠牲にすることで、圧倒的な送金スピードを手にしたのです。
仮想通貨を狙ったハッキングング事件は後を立ちませんし、ライトコインがほ本当に実用化されるのであれば、セキュリティ面で何かしらの対策を講じる必要はあるでしょう。
② ビットコインキャッシュとの対立
ビットコインが人気となり、多くの取引が生まれたため、ビットコインの取引処理が遅くなってしまい、多くの送金取引が未完了のままになっていると言う問題が2017年ごろから議論になっていました。
そこで、ビットコインの取引処理方法を変更して、取引速度が速いビットコインとして誕生したのがビットコインキャッシュです。
もともとビットコインも日常生活で使われることを想定して作られています。
そのビットコインの取引処理が早いバージョンであるビットコインキャッシュが今後、ライトコインと共存できるのか、というのは気になるところです。
ビットコインキャッシュはビットコインのネームバリューを引き継いでいますし、多くの国に認められやすいのはビットコインキャッシュのほうでしょう。
ビットコインキャッシュの存在は、ライトコインが今後、発展していくための大きな障害となるかもしれません。
③ ライトコインより優れた仮想通貨の存在
ライトコインの利点として、送金スピードが早く、送金手数料が安い、ということが挙げられます。
しかしながら、このライトコインの優位性はずば抜けたものではなく、すでに失われているといってもいいでしょう。
ライトコインよりも、早いスピードで送金が行える仮想通貨が続々と誕生していますし。
ライトコインよりも少額で送金ができる仮想通貨もあります。
実用メインで作られた、という点ではライトコインに分がありそうですが、もしライトコインより優れた仮想通貨が生まれれば、ライトコインの立場は危うくなってしまいます。
もちろん、仮想通貨が実用化される理由は、送金スピードや送金手数料だけではありませんが、それでもライトコインのライバルとなる仮想通貨が今後登場する可能性は十分にあります。
ライトコインの将来性
ビットコインだでなく、イーサリアムや他の仮想通貨でも、取引処理速度の低下が問題として露呈しつつあります。
そのため、取引処理速度に優れて実用性が高いライトコインの需要は今後、高くなるかもしれません。
ライトペイは失敗に終わったものの、別の形でライトコインが日常で使えるようになるように、開発が進められているのは間違いありません。
ライトコインが実用化に進めば、必然的にライトコインの価格は上がります。
2018年の夏頃にはスマートフォンでライトコインの決済ができるLitePal(ライトパル)のサービスが始まりますし、2018年はライトコインが実用化に向けて大きく前進する年かもしれません。
いずれにせよ、今後のライトコインの動向には要注目です。
とはいえ、ビットコインキャッシュやライトコインより優れた仮想通貨の登場、またライトコイン自体のセキュリティなど多くの不安要素があるのも事実です。
ライトコインについてのまとめ
最後に簡単にこの記事の要約をまとめたいと思います。
- ライトコインはビットコインの弱点を補完した実用重視の仮想通貨
- 送金が安くて早い!
- 早い処理速度の反面、セキュリティには不安
- 今後、ビットコインキャッシュやライトコインより優れた仮想通貨との競合も
- 他の仮想通貨で、スケーラビリティ問題が露呈すれば、ライトコインの需要アップ!
今回の記事を参考にライトコインの運用や取引などにお役立て頂ければと思います。