Decred(ディークレッド)は通貨保有者が運営方針を決めることができる民主的な仮想通貨として多くの注目を集めています。リスクが低く安定的であることから今後大きな価格の高騰がありそうなDecredを要点だけまとめて簡単に解説します!
Decred(DCR)リアルタイム相場価格と時価総額ランキング
Decred(DCR)の相場価格と時価総額ランキングをリアルタイム表示
Decred(ディークレッド)の基礎知識
Decred(ディークレッド)は2016年の2月に発行された仮想通貨です。
通貨単位は「DCR」で表され、2018年6月現在は1DCRあたり約7,000円前後で取引がされています。
時価総額ではずっと40位台でしたが、4月からDecredの価格が高騰した影響で30位以上にまで浮上しており、今最も勢いがある仮想通貨と言っても過言ではありません。
Decredは「自主性とは自立」という言葉を掲げステークホルダー、つまり通貨の保有者が自分たち自身でルールを決めることができるガバナンス方法を採っています。
Decredの運営方針や開発、取り入れる技術、ハードフォークなどは全てDecred保有者の投票によって決定されます。
他にもDecredの運営は「マルチステークホルダーの包括性」、「プライバシーとセキュリティーの強化」、「言論の自由と考慮」、「無料のオープンソースソフトウェア」を原則として平等な持続可能な運営を目指しています。
「マルチステークホルダーの包括性」とは、通貨の保有量に関係なく通貨を持っている人全員の意見が聞き入れられ、採用されることで、「言論の自由と考慮」とはDecredのコミュニティ内では、誰でも意見を述べる権利があるということです。
「プライバシーとセキュリティーの強化」、「無料のオープンソースソフトウェア」に関しては説明不要だと思いますが、こうして見るとDecredがとても民主的な運営方針を採っていることが分かります。
運営側に権力が集中しないため、Decredは安定的で信頼が置ける仮想通貨として大きな人気があります。
Decred(ディークレッド)のコンセンサスアルゴリズム
Decredのコンセンサスアルゴリズム(取引承認方法)はPoSとPoWの2つを組み合わせた革新的なコンセンサスアルゴリズムだと言われています。
PoWとはProof・of・Workの略語で、高性能なコンピューターを用いてより早くマイニング(取引承認)を行ったものに報酬が与えらるコンセンサスアルゴリズムのことです。
一方のPoSはProof・of・Stakeの略語で、通貨の保有量によってマイニングを行う人が決定されます。
選ばれてマイニングを行った人が、報酬を受け取ることができます。
PoWはビットコインなどで採用されており、PoSはカルダノやNEOなどで採用されています。
イーサリアムは現在PoWを採用していますが、将来的にはPoSに移行する計画となっています。
Decredはブロックの生成(マイニング)をPoWによって行います。
PoWによって生成されたブロックをブロックチェーンに繋いでもいいかどうかの承認は、PoSの投票によって決定がされます。
投票の際はDecredコインが投票権として用いられ、投票を行った人の中から無作為に抽出された人の意見を有効票とします。
運よく自分の投票が有効票に選ばれた人は自分のコインが返却される際に、マイニングの報酬がプラスαされた額が戻ってきます。
自分の投票が有効票に選ばれず、死票となってしまった人でも投票に使ったDecredコインは手元に戻ってきます。
まとめるとDecredはブロック生成はPoWで、ブロックチェーンの作成はPoSというように2つのコンセンサスアルゴリズムを使い分けています。
また取引承認の際だけでなく、Decredでは他にもハードフォークの是非や開発・運営方針を決める際にも同様に投票が用いられます。
Decred(ディークレッド)のメリット
次にDecred(ディークレッド)のメリットについて見ていきましょう。
Decredのメリットとして取引記録が改ざん不可能なこと、51%攻撃のリスクが低いなどが挙げられます。
取引記録が改ざん不可能
これはPoWをコンセンサスアルゴリズムに採用するメリットですが、Decredの取引記録を改ざんすることはまず不可能となっています。
PoWでは膨大な計算を必要としますが、もし取引記録を改ざんしようとするとその膨大な全ての計算をやり直して書き換える必要があります。
今の技術ではそのような膨大な計算を瞬時に終わらせることは不可能であり、仮に試みたとしても途中で不正取引が発覚してしまうのが関の山でしょう。
したがってDecredでは取引記録が改ざんされるといった不正が行われる心配がありません。
51%攻撃のリスクが無い
51%攻撃とは、半数を超える(51%)グループもしくは個人がマイニングを支配し、不正な取引を行うことです。
現実的に考えると51%攻撃を行うメリットはあまりなく、51%攻撃は理論上のリスクで実際には起こらないだろうと楽観視されていたのですが、仮想通貨Verge(ヴァージ)で本当に51%攻撃が行われ約800万円のVergeコインが流出してしまうという事件が起こってしまいました。
(その後ビットコインゴールドやモナコインでも51%攻撃が起きています)
それを受けて最近は51%攻撃をいかに対処するかが議論されていますが、今のところ完璧な解決策は見出されていません。
ですが、51%攻撃はマイニングがPoWをコンセンサスアルゴリズムに採用する仮想通貨のみに存在するリスクです。
PoSを採用している場合、マイニングを行う者はコミュニティによって決定されます。
したがってマイニングが半数を超えないように調節ができるため、51%攻撃の心配はありません。
PoWとPoSの両方を取り入れているDecredですが、マイニングの承認はPoSによって行われるため51%攻撃のリスクはほぼ0となっています。
51%攻撃は仮想通貨を揺るがしかねない重大なリスクとも言われていますが、その心配がないことは実感よりも遥かに大きなメリットです。
マイナー・開発者・ユーザーの間に対立が起こらない
Decred(ディークレッド)は通貨の保有者、つまり利用者が運営方針など全てを決めることができます。
そのためマイナーと開発者・利用者が対立することはありません。
マイナーと開発者が対立してしまった結果起きてしまったのが、ビットコインの分裂騒動(ビットコインキャッシュのハードフォーク)です。
繰り返しですがDecredではマイナーと開発者が対立することはありませんし、ハードフォークの是非も利用者の投票によって決定されます。
Decred(ディークレッド)のリスクとは?
Decred(ディークレッド)は51%攻撃やマイナーと開発者の対立といった問題はありませんが、通貨の保有者数が少なくなると投票を行う意味が無くなり、機能不全に陥ってしまうというリスクが存在します。
Decredの発行上限枚数はビットコインと同じ2100万枚で、決して多いとは言えません。
資金力のある個人・組織がDecredを買い占めてしまうと、Decredの運営方針が中央集権的に決定されてしまう恐れがあります。
Decred(DRC)の価格推移・チャート
Decred(ディークレッド)は2016年の2月に発行され、取引が開始されました。
発行当初は1DCRあたり100円台で取引がされていたものの、2017年までは1DCRあたり100円にも満たない価格をずっと推移していました。
それでも2017年の4月頃から値上がりし、6月には1DCRあたり約5000円まで価格が高騰します。
さらに2017年の10月に韓国の大手取引所UPbit(アップビット)に上場したことで、約12,000円まで価格が上がりました。
最安値だった2016年10月から数えてなんと、24,000倍もの価格上昇です。
その後、高騰の反動とニューヨーク株式市場が暴落したことでDecredの価格も下がり、4月には3,000円台にまで値下がりしてしまいます。
2018年5月にはベータ版の公開や概要動画が好評を博したこともあり、再び12,000円台に迫ろうかという勢いを見せていましたが、6月に入り7,000円前後まで価格を下げています。
Decred(ディークレッド)ロードマップ&今後の開発予定
Decred(ディークレッド)は運営方針や開発計画は通貨の保有者によって決められるため、明確なロードマップが存在しません。
現時点で予定されている開発計画は、公式ホームページ上で見ることができます。
それを見ると、今後は取引所を介さなくても異なる種類の仮想通貨を取引することができるようになる、アトミックスワップやウィンドウズとMacの両方で利用可能な専用ウォレット、小額の手数料で決済が可能なライトニングネットワークの開発が予定されています。
他にも分散型取引所(DEX)がリリースされ、取引処理能力を上げるスケーラビリティ向上のための技術が導入されるようです。
しかしながら、これらの開発計画はあくまでも予定であり通貨ホルダーの意思によっては変更や中止となる可能性があります。
Decred(ディークレッド)の将来性は?価格は上がる?
Decredは通貨の保有者が運営方針を決定するためハードフォークやマイナーと開発者の対立が起きづらく比較的安定性のある仮想通貨として多くの人の投資対象となっています。
それは多くの仮想通貨が値下げをしている2018年3月〜5月で、Decredは好調を維持していることからも伺うことができます。
公平なガバナンスによる安定的なDecredは今後、他の仮想通貨で何か大きな問題が起こった際に損失回避として買われる可能性もあります。
保有している仮想通貨が暴落しそうなときに、Decredに切り替えるのもありかもしれません。
結論として、Decredは安定性・信頼性から、長期的な投資対象として期待が持てそうな仮想通貨です。
Decred(ディークレッド)のまとめ
- Decredは通貨の保有者が運営方針を決定することができる民主的な仮想通貨
- PoWとPoSの2つのコンセンサスアルゴリズムを採用していることが特徴
- 51%攻撃のリスクが無い、マイナーと開発者の間に対立が起きないといった安定性がメリット
- Decredの買い占めが行われると投票の意味が無くなり機能不全に陥ってしまう恐れもある
- 安定性・信頼性から有事の際に買われる可能性大
- 長期的な投資対象にオススメな仮想通貨!