アイオータ(IOTA)とはIoTのために開発されて一時は時価総額4位にもなった仮想通貨です。アイオータ(IOTA)がIoTの救世主とされるわけ、ブロックチェーンよりもすごいTangle(タングル)やIOTA(アイオータ)の将来性も含めて解説します!
アイオータ(IOTA)リアルタイム相場価格
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アイオータ(IOTA)とは?
発行から1年も経たないうちに時価総額でトップ10に入り、一時は時価総額4位にまでなったことで有名になりました。
通貨単位は「MIOTA」で表され、2018年6月現在は1/MIOTAあたり約140円で取引がされています。
そんなアイオータ(IOTA)をひとことで言うならば、「IoTデバイスのための仮想通貨」です。
アイオータ(IOTA)はIotデバイスのデータ通信や情報の管理などをスピーディー・容易にし、安全な取引やIotデバイスによる決済を実現するために開発がされました。
アイオータ(IOTA)のメリットや特徴などを説明する前に、まずは簡単にIoTとは何か簡単に触れておきましょう。
IoT(アイ オー ティー)とは
IoTとは、「Internet of Things」 の略語です。
直訳すると、モノのインターネット化という意味になります。
Internet(インターネット)と、と聞くとパソコンやスマートフォンなどを思い浮かべる方が多いと思います。
ですが IoTでは今までインターネットとは関係のなかったテレビ、エアコンといった家電やベッド、テーブル、椅子などといった身の回りにあるもの全てがインターネットに繋がることが想定されています。
IoTによってモノがインターネットに繋がることで、モノへの送信・モノからの受信・モノ同士の相互通信が可能になります。
例えば家電が連携して電力消費を自動で抑えてくれるようになったり、外出先からも家のテレビで見たい番組を録画をしたりすることができるようになります。
さらにモノ自体が情報を発信する側にもなるのでIoT化したベッドが利用者の睡眠状態を測定してくれたり、衣類がIoT化すれば着ている人の健康状態の記録や管理をしてくれるようにもなります。
私たちの周りにあるモノがインターネットにつながり、情報を発信したり受信したりすることで、日常生活が豊かに、そして便利になるだろうと予想がされています。
IoTの課題を解決するのがIOTA(アイオータ)
私たちの周りあるものが全てインターネットに繋がったら、とても便利な生活になるでしょう。
しかしながらあらゆるものがインターネットに繋がるため、通信費が膨大になるといったデメリットや、デバイスとやりとりするデータ管理の不安が生じます。
またモノがインターネットに繋がるため、ハッキングやウイルスといった不正防止の処置も考えなければいけません。
IoTが実現するには課題が多く、これらの課題によってIoTが進んでいないのが現状です。
そこで、これらのIoTの課題を解決するために開発されたのがIOTA(アイオータ)です。
IOTAのブロックチェーン上でIoTデバイスの管理やデータ通信を行えば、早く安全にデータの管理や通信が行えるようになります。
また、IOTAはシェアリングエコノミーの実現も視野に入れています。
シェアリングエコノミーとは、車などを自分で所有することなく必要なときに誰かから借りて使う新たな経済活動です。
必要なときにだけお金を払えばいいので、購入費用や維持費がかからなくてすみ、節約になります。
シェアリングエコノミーもIoTと並んで新たな経済活動の形として注目を集めています。
IOTAは取引手数料が無料なので、シェアリングエコノミーの決済にIOTAの仮想通貨(MIOTA)が使われればシェアリングエコノミーの実現化に大きく貢献することになるでしょう。
このようにIOTAは、IoTとシェアリングエコノミーの普及に大きく貢献すると期待がされています。
IOTA(アイオータ)の特徴は?
IOTAでは、情報の管理にTangle(タングル)という技術が使われています。
Tangle(タングル)は日本語で「もつれた」「絡まった」という意味です。
通常のブロックチェーンでは、ブロック(情報のかたまり)は一方方向に繋がれて管理されています。
1つのブロックができて前のブロックにチェーンで繋がれるまで、新たなブロックは作られません。
そのため1つのブロックができるまでに時間がかかってしまうと、新たなブロックは前のブロックができるまで待っていなければいけないのです。
これが問題となっているのが、現在のビットコインやイーサリアムです。
ビットコインやイーサリアムの取引量が増えて、処理すべき情報が多くなってしまい、ブロックチェーンの作成に時間がかかってしまっています。
その結果、ビットコインやイーサリアムを送金しようとしても送金が完了するまでに時間がかかってしまう、送金詰まりの問題(スケーラビリティ問題)が起きているのです。
ところがIOTA(アイオータ)のTangle(タングル)では、1つのブロックができる前に別のブロックを作成してチェーンを作ることができます。
そのためブロックが作成されるのを待つことなく、次々にブロックが生成されていきます。。
できあがったブロックはブロックチェーンのように1つに繋がれているのではなく、バラバラに繋がれて行きます。
まさにチェーンがTangle、絡まってもつれている状態です。
前のブロックの生成を待つ必要がないため、Tangleはブロックチェーンに比べて格段に情報の処理が早くなり、ブロックチェーンのようにスケーラビリティ問題が起きるリスクは低いとされています。
またTangle(タングル)ではデータの通信にコストがかかりません。
さらには送金手数料も無料なため、IoTデバイスの管理やシェアリングエコノミーの決済にIOTAが活用されると期待されています。
IOTA(アイオータ)のメリット・デメリットを解説
IOTAのメリット
すでに触れた部分もありますが、IOTA(アイオータ)のメリットについて見てみましょう。
まずIOTAのメリットとして、TangleでIoTデバイスを管理すれば高速な通信が可能になることが挙げられます。
またTangle上は通信料がかからず、多くのデータをデバイス間で送受信してもコスト面の心配は要りません。
さらにIOTAの仮想通貨は全て発行されており、マイニングをする必要がないため送金手数料が無料というメリットもあります。
そのためシェアリングエコノミーでモノを借りるときの決済や、IoTデバイスによる決済が無料で行うことができます。
IOTAのデメリット
IOTA(アイオータ)のデメリットには、今後多くのIoTデバイスがIOTAのTangle上で管理されるようになった場合、セキュリティに不安があることが挙げられます。
ブロックチェーンは情報がひと続きになっていることで情報の改ざんやハッキングといった不正に強いという側面があります。
しかしながら、Tangleでは情報はひと続きになっておらずブロック同士の繋がりが弱いため、セキュリティ面で不安が生じてしまいます。
また将来身の回りにある小さな物までIoT化して情報の送受信を行うようになった場合に、それぞれのIoTデバイスのハッキング対策も考える必要があります。
どんなに小さな物でもIoTデバイスは利用者の個人情報を持っているため、しっかりとした安全面での対策が求められます。
現状はIOTAは安全性が高いとされていますが、今後IOTAが実用化に至り、多くのデバイスを管理することになった場合、まだまだセキュリティーは完全であるとは言えません。
IOTA(アイオータ)の価格推移を解説
例えば、ドイツの自動車部品・電動工具メーカであるボッシュや世界屈指の電機メーカーである日本の富士通、アイルランドのコンサルティング会社、アクセンチュアと提携を発表しています。
世界中の超大手企業が目をつけることから、IOTAの注目度、期待度の高さが伺えます。
また、2017年の11月に上記の会社やマイクロソフト社と提携をしたというニュースが流れたことからIOTAの仮想通貨、MIOTAの価格は高騰しました。
なんと1週間で1/MIOTA:100円から550円まで値上がりをしたのです。
2017年12月には時価総額で4位にランクインしました。
しかしながらIOTAがマイクロソフト社と正式に提携をしているわけではなく、あくまでマイクロソフト社のクラウドサービスの顧客だったことが明らかになり、その後に価格は300円台に急落してしまいます。
2018年6月現在は1/MIOTAあたり約140円で取引がされています。
IOTA(アイオータ)の将来性は?
もともとIoT・シェアリングエコノミーの分野自体、将来性が期待されていますし、IOTAの将来性はとても高く、今後値上がりすることは十分に期待ができます。
IOTA(アイオータ)のロードマップ&今後の開発予定
IOTA(アイオータ)は2018年に多くの重要な開発が予定されています。
まず現実世界でIOTAが採用されるためにJAVA、C++、Rust、Goといった主要なプログラミング言語でもIOTAの開発ができるようになります。
これにより多くの優れた技術者がIOTAの研究・開発に参加できるようになると考えられています。
またIOTAがトラストレスで決済ができるようになるライトクライアント・SPV(simplified payment verification)が開発されます。
さらにブロックチェーン外部のデータをIOTAのネットワークに取り込むことができるオラクルや取引を秘匿に行うためのプライベートトランザクション機能も実装予定となっています。
1番の注目はIoTならぬIDot(ID・of・Things)で、これはモノのアイデンティティを証明するための機能です。
例えば製品を誰が製造し、どうやって運ばれてきたのか、誰が所有しているのか、価格はいくらなのかといったモノの情報を
IOTAのブロックチェーンに記録・管理することで故障やハッキングといった異常がすぐに探知できるようになります。
他にもデータライブラリーなど様々な開発がIOTAではされる予定で、それらの情報は「IOTA Development Roadmap」より確認することが出来ますので、興味のある方は一度目を通してみてください。
上にあげた開発はどれも注目な機能ばかりなので、リリースされればIOTAの価格が大きく上がるかもしれません。
IOTA(アイオータ)についてのまとめ
- IOTAはモノのインターネット化であるIoTの課題を解決するために開発された
- ブロックチェーンの代わりにTangleを情報管理の仕組みとして導入している
- Tangleは取引処理が早く、データ通信・送金も無料で行うことができる
- 今後、IOTAが発展し、多くのIoTデバイスが管理されるようになった場合、セキュリティには不安が残る
- 一時は時価総額で4位にもなり、IoT分野と合わせてさらなる値上がりが期待できる仮想通貨