エターニティ(Aeternity:AE)価格チャート/解説

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Aeternity(エターニティ)はイーサリアムのスケーラビリティ 問題の解決策と見なされ、多くの独自技術、システムによって注目を集めている仮想通貨です。Aeternityの特徴や価格チャート、将来性を分かりやすく解説します。

Aeternity(AE)のリアルタイム相場価格と時価総額ランキング

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Aeternity(エターニティ)の基礎知識

Aeternityは2016年の12月に発行された仮想通貨で、イーサリアムをベースとして作られています。
発行当初に行われたICOでは、3700万ドル(約37億円)もの資金を調達したことで話題となりました。
通貨単位はAEで表され、仮想通貨の時価総額ランキングでは安定してトップ50に入っています。

Aeternityは主に企業の情報記録・管理のためにブロックチェーンやスマートコントラクトを提供し、ビジネスプラットフォームの構築を目的として開発がされました。

またAeternityは独自技術によって、取引処理が早いという特徴があり、イーサリアムのスケーラビリティ 問題の解決策となるのではという期待もされています。

Aeternity(エターニティ)の特徴

Aeternityの特徴的な技術・仕組みとしてState Channel、オラクル、Cuckoo CyCleがあります。
それぞれ順に見ていきましょう。

State Channel(ステート・チャネル)

State Channel(ステート・チャネル)とはAeternityのブロックチェーンテクノロジーのことです。
ステートチャネル(Aeternityのブロックチェーン)の利用者は、誰もが自由に使えるパブリックなチェーンの他に、プライベートなブロックチェーンを使うことができます。
パブリックなブロックチェーン上で情報を管理すると第3者に情報を閲覧されてしまう可能性がありますが、プライベートなブロックチェーンで情報を管理すれば誰にも知られることなく情報の記録・管理が可能となります。

これは取引などの情報を外部に漏らしたくない利用者(特にAeternityが利用を想定している企業)にとって、有益な機能であると考えられています。

また情報管理がプライベートのブロックチェーン(オフチェーン)で行われるため、メインのブロックチェーンに多くの取引処理負荷がかからず、取引処理が格段に早くなります。

Aeternityのベースであるイーサリアムでは、取引処理件数の増加によって処理作業に遅れが生じてしまうスケーラビリティという問題が起こっていますが、Aeternityとイーサリアムは相互性があるため、Aeternityのステートチャネルがイーサリアムのスケーラビリティ 問題の解決策となるのではと期待もされています。

分散化オラクル

オラクルとはIT用語でデータを管理する場所という意味です。
Aeternityにおいては、Aeternityのスマートコントラクト機能のことを指します。

そもそもスマートコントラクトとは、予め条件を設定しておき、その条件が満たされたときに自動で契約(取引や決済など)が履行される機能のことを言います。
イーサリアムのスマートコントラクトの場合、文字どおり事前に定められた条件の下でしか契約が履行されることはありません。
つまり、天候や体調、スポーツや選挙の結果など少しのことで変わりやすく、また環境によって変化する条件に関しては対応ができないのです。
イーサリアムのスマートコントラクトは言い換えれば、内部条件による契約の自動化(スマートコントラクト )と言えるでしょう。

一方、Aeternityのオラクルの場合、変化する条件を取り込み、その条件に柔軟に対応してスマートコントラクトを行うことができます。
そのためAeternityのスマートコントラクトは、外部条件による契約の自動化とも言い換えることができます。

日常生活において、毎回結果が同じな一定の条件などほとんど存在しませんし、そのためオラクルはイーサリアムのスマートコントラクトよりも評価されています。

Cuckoo Cycle

Cuckoo Cycleとは、PoWとPoSを混合させた、Aeternityのコンセンサスアルゴリズムのことです。
PoWはProof-of-Workの略語で、ビットコインのように高性能なマシンを使ってマイニングを行った人だけが取引承認を行えるコンセンサスアルゴリズムです。
文字通り、Proof(証明=取引承認)はWork(仕事量=マイニング)に依拠します。

PoSとはProof-of-Stakeの略語で、通貨を多く保有している人が取引承認を行えるコンセンサスアルゴリズムです。
こちらも文字とおり、Proof(証明=取引承認)はStake(掛け金=通貨の保有量)に依拠します。

PoWは成果主義でマイニングを頑張った人が報酬を受け取ることができますが、反面電力消費量が多いとデメリットがあります。
PoSは通貨の保有量や取引回数によって報酬を受け取ることができますが、一部の資産家が通貨を買い占めてしまうと報酬も独占されてしまうというデメリットがあります。
そこで、双方の優れたところを取り入れたのが、AeternityのCuckoo Cycleです。

Cuckoo CyCleは正式には”Cuckoo CyCle”PoWと言い、PoWの比重が少し多いようですが、Cuckoo CyCleは少ない電力で効率よくマイニングを行うことができます。
少ない電力、性能が高くないデバイスでもマイニングをすることができるので、個人が持っているスマートフォンでもマイニングを行うことが可能となります。
そのため、多くの人がマイニングに参加することができマイナーの数が増え、一部の個人、企業がマイニングの報酬を独占するということがありません。

とても民主的かつ革新的なコンセンサスアルゴリズムだとして、Cuckoo CyCleはオラクル、ステートチャネル同様に多くの注目を集めています。

Futarchy(フェターキー)

Aeternityでは、ガバナンスに Futarchy(フェターキー)が利用されています。
Futarchy (フェターキー)は経済学者のジョージ・メイソンと未来学者のロビン・ハンソンが提唱した政治体制のことで、日本語では市場政治とも訳されます。
フュターキーでは社会福祉の効果が数値化され、ある政策により福祉の数値が増大すると市場が判断すれば、その政策は実行されます。

このフェターキーをAeternityは、ガバナンス方法として取り入れています。
Aeternityではマイナーが投票を行い、どのブロックをマイニングするかが投票で決定されます。

そのためAeternityでは重要度が高い取引(ブロック)から承認が行われていくことになり、高速な取引処理を実現させることができます。

Aeternity(AE)の価格推移・チャート分析

Aeternityは2016年の12月に発行され、発行当初はステートチャネルやオラクル、Cuckoo Cycleが注目を集めたため、Aeternityの価格はいきなりの上昇を見せました。

なんと発行直後の価格1AEあたり約70円から、1ヶ月で約400円近くまで値上がりしたのです。

発行から数えて5倍以上の高騰を見せましたが、その反動からかすぐに暴落してしまい、その後は1AEあたり数十円程度を推移します。

2017年の12月に仮想通貨市場全体が盛り上がりを見せたことに伴い、Aeternityも価格が上昇し、2018年4月に中国で大規模なイベントを行った影響で約500円近くまで値上がりしました。

しかしながらその後は仮想通貨市場全体の低迷に伴い、AEの価格も下落しています。

Aeternity(エターニティ)のエコシステム

Aeternityは企業との事業生態系の構築を目指しており、様々な開発が進められています。

例えば、起業家やベンチャー企業を支援する基金を設立したり(金銭取引は仮想通貨AEで行われます)、モバイル端末で利用ができるブロックチェーンの開発、技術者の教育や研究機関との提携を積極的に行っています。

ヨーロッパのリヒテンシュタイン公国でブロックチェーン研究のための会社を立ち上げ、多くのセクター企業(公営企業)と提携関係を結ぶなど、企業のためのブロックチェーン技術の開発を目指すAeternityのプロジェクトはかなりの進み具合を見せています。

Aeternity(エターニティ)のロードマップ

Aeternityのロードマップを見ると、2018年中にビジネスのためのアプリケーション・ソフトウェアの開発が行われ、セキュリティの向上を経て」、メインのブロックチェーンが公開されるようです。

しかしながら、本来アプリケーション・ソフトウェアの開発は2017年中に行われる予定で、計画に遅れが生じているのは少し気になるところです。

とはいえメインのブロックチェーンが公開されればAeternityを企業が利用できるようになり、仮想通貨Aeternityの価格が上がることが期待できそうです。

Aeternity(エターニティ)の将来性は?価格は上がる?

エコシステム、ロードマップから分かる通り、Aeternityが企業の情報記録・管理に使われる公算は非常に高いと言えます。
将来的に企業間の取引に仮想通貨AEが使われることも同様に、とても期待ができます。

また、Aeternityのステートチャネルはイーサリアムのスケーラビリティ問題の解決策となるとの期待が持たれています。
もし仮にイーサリアムでAeternityの技術が取り入れられれば、Aeternityの価格上昇に繋がるかもしれません。
しかしながら、同じくイーサリアムをベースとして開発がされ、高速取引処理が特徴なZilliqaの誕生によって、少しAeternityの存在感が薄れつつあるのも事実です。

結論として、Aeternityが企業の情報管理・記録のプラットフォームとなる可能性は大いにあるもののイーサリアムの解決策となるかどうかは微妙なところだと言えます。

Aeternity(エターニティ)のまとめ!

  • Aeternityはイーサリアムをベースとして作られた、企業の情報記録・管理のために作られた仮想通貨
  • ステートチャネル・分散化オラクル・Cuckoo Cycleなど、多くの注目を集める独自技術を持っている
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