Verge(ヴァージ:XVG)は匿名性が高い、取引処理能力が高い、セキュリティーに優れているという三拍子揃った仮想通貨です。滅多に起こらないとされていた51%攻撃を実際に受けてしまったことでも有名なVerge(ヴァージ)を基本情報や価格チャート・時価総額を調査し、今後の将来性を解説します。
Verge(XVG)のリアルタイム相場価格と時価総額ランキング
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Verge(ヴァージ)の基礎知識
Verge(ヴァージ)はDoge(ドージ)コインを元にして作られ、ビットコインのセキュリティー・匿名性・取引処理能力を改良した仮想通貨と言われています。
通貨単位はXVGで表され、2018年7月現在は1XVGあたり2.7円前後で取引がされていますが、一時は22円前後で取引されていたこともあり今後価格が上昇する可能性が大いにある仮想通貨です。
時価総額ランキングは37位前後と、MoneroやDASH・Bytecoin・Zcashの他の匿名性を売りにしている仮想通貨と比べると低いものの、Cripto Emporiumの投票で決済に使われる通貨に選ばれるなどユーザーからの期待は高いと言えます。
Verge(ヴァージ)の特徴は?
Verge(ヴァージ)の特徴は、匿名性が高いことと、セキュリティーが万全であること、そして取引処理能力が高いという3つが挙げられます。
順に見ていきましょう。
Verge特徴① 匿名性が高い
ビットコインは公開帳簿式とも呼ばれ、通貨の取引記録が管理されているブロックチェーンを照合すれば、誰が・誰に・いくら・ビットコインを送金したかが分かるようになっています。
(もちろんビットコインのアドレス、銀行口座のようなものが分かるだけで、取引記録から個人情報までが特定されるわけではありません)
中央銀行のような管理者が存在しないビットコインでは、参加者が誰でも通貨の取引記録を確認できることで参加者全員でビットコインの管理を行うとともに、不正な取引が行われていないかチェックする役割も果たしています。
一方のVergeは匿名性が高く、誰が・誰に・いくらVergeを送ったのか、第3者からは分からないようになっています。
その理由はTORとiP2と呼ばれるVergeの技術にあります。
TOR(The Onion Router)
TORとはThe Onion Router(ジ・オニオン・ルーター)の略語で、元々はアメリカの海軍が研究を行なっていた技術です。
通常ユーザーがインターネットへのアクセスやメールの送信(メールサーバーへのメール転送)を行なうと、サーバーにはアクセス元のIPアドレス(機器を判別するための番号)が記録されます。
このIPアドレスを日時と併せて確認すると、だれがインターネットにアクセスをしたのか、誰がメールを送ったのかが分かるようになっています。
TORはこのアクセスの際に残るIPアドレスから、ユーザーの特定を不可能にするための技術として研究がされていました。
したがってTORを使えばユーザーは匿名でインターネットにアクセスができ、メールの送信も秘匿に行うことができるようになります。
TORでは、通常は1つのサーバーに残るアクセス情報を別のサーバーに暗号化して転送します。
アクセス情報を受け取ったサーバーも情報を暗号化して、さらに別のサーバーに転送します。
これを繰り返すことによってといくつものサーバーを介し複雑化されるため、側から見ても誰がインターネットにアクセスしたのかを把握するのは不可能にとなります。
暗号化を何重にも被せ、サーバーを介するたびに情報が深層化することから、玉ねぎになぞらえてOnionという名前がついています。
このTORをVergeは送金システムに応用して使っています。
したがってVergeではブロックチェーンの情報から送金アドレスを特定することは不可能となり、TORによってユーザーはVergeを匿名で送金することができるのです。
iP2(The Invisble Internet Project)
iP2とは、The Invisble Internet Projectの略語で、日本語では不可視インターネットプロジェクトとも言われます。
iP2は通信始点と終点を匿名化し、さらにその間の通信内容も暗号化するという方法、プロトコルのことです。
VergeはネットワークにこのiP2を用いているため、Vergeの送金者と受金者が秘匿にされ取引内容も一切明かされることはありません。
これによりVergeの匿名性はさらに増すことになり、匿名での通貨の送受金が可能になります。
さらに取引金額も明らかにされないため、どのアドレスがいくらVergeを保有しているのかも判別できず、多く通貨を保有している人がハッカーに集中的に狙われることがないというメリットもあります。
VergeにはWraith Protocolという技術が備わっており、必要に応じて匿名の情報を明かすことができます。
Wraith ProtocolはVergeで不正が行われた際などに使われ、不正が疑われるの者の情報が必要に応じて明らかになります。
もちろん何もやましいことがない限り、一般的なユーザーの情報は匿名に保たれたままです。
これは他の匿名性を売りにする仮想通貨には見られない特徴で、Zcashなどは完璧な匿名性を備えていますが悪用されるリスクを考えると、そこまでの匿名性は必要がないのではという声もあります。
不正が行われた際にも不正者の追求ができるという点で、Vergeの方がZcashよりも決済に優れている仮想通貨だと言えるでしょう。
Verge特徴② 取引処理能力が高い
Verge(ヴァージ)は取引処理のために、SPVという技術を備えています。
SPVはSimplified・Payment・Verificationの略語で、ビットコインの仕組みを考案したサトシ・ナカモト氏によって提唱されました。
簡単に言えば、ブロックチェーンのすべての情報をダウンロードしなくても取引の承認を行うことができる技術のことです。SVPによってそデータ量が軽くなり、モバイル端末でもウォレットを管理することが可能となります。
この技術によりVergeは取引処理能力が高く、ブロックの生成時間はわずか数十秒で行うことができます。
取引処理能力が高いということは送金時間も早くなり、Vergeの送金はたったの数秒で送金が完了します。
Verge特徴③ セキュリティーが万全
他の仮想通貨の場合、プログラミングのアルゴリズムは1つだけです。
しかしながらVergeではプログラミングのアルゴリズムが5つも存在します。
(Scrypt、Lyra2rev2、blake2s、X17、my-groestの5つ)
アルゴリズムが多いためハッキングをするには全てのアルゴリズムを解析してハッキングする必要があり、ハッカーにとってはハッキングが困難になります。
ハッキングをするインセンティブが薄まるため、Vergeはハッキングのリスクが低いとされています。
Verge(ヴァージ)の51%攻撃
Verge(ヴァージ)は2018年の4月に51%攻撃を受けたことで話題となりました。
マイニングが可能な仮想通貨には常にこの51%攻撃のリスクがつきまといますが、実際に51%攻撃が行われたのは非常に珍しいことでもあります。
51%攻撃とは簡単に言うと、半数以上(51%以上)の承認があれば、仮想通貨の仕組みを自由に変えることができるという仮想通貨のルールのようなものです。
元々は仮想通貨において民主主義を保持するためのルールだったのですが、悪意ある個人・組織が半数を占めてしまうと取引記録を自由に変えられる・不正な取引が行われる・マイニングの報酬が独占されるといったリスクがあります。
Vergeでは2018年の4月に51%攻撃を受けていることが発表され、大きな話題となりました。
運営側の声明によると、51%攻撃を行った攻撃者がVergeを自由に送金できたのは3時間だけであり、迅速な対応により被害額は25万枚(約1500万円)に留まった述べていますが、実際の被害額は400万枚近いのではという有識者の見解もあります。
また運営側は当初51%攻撃を小さな攻撃として、51%攻撃の事実をもみ消そうとしていました。
この対応のまずさ、ごまかしがVergeへの信頼性の低下を招き、Vergeの価格は暴落します。
51%攻撃によりVergeの専用ウォレットが機能しなくなるといった問題も発生し、結果的にVergeはハードフォークを余儀無くされることとなりました。
Verge(XVG)の価格推移・チャート
Verge(ヴァージ)は2014年ごろに発行され、長らく1XVGあたり0.1円にも満たない価格を推移していましたが、2017年の12月ごろから価格が跳ね上がります。
12月当初の約0.1円から、クリスマスを迎える頃には22円まで値上がりをしたのです。
1ヶ月で220倍もの価格上昇で、発行当初はわずか0.0004円だったことを考えるとなんと5万倍も価格が上がったことになります。
高騰の原因は韓国の大手モバイルゲーム会社が決済にVergeを導入したこと、仮想通貨界隈で影響力がある人物の発言、Vergeと関係が深いTokenPayのICOの成功などが挙げられます。
しかしその後は高騰の反動と前述の51%攻撃の影響で価格が下がってしまい、現在は1XVGあたり約2.6円程度で取引がされています。
Verge(ヴァージ)のロードマップ・開発予定
Verge(ヴァージ)のロードマップを見ると、今後はVergeが決済に利用できるオンラインショップのリリース、51%攻撃があったマイニングに改良が加えられます。
その後はイーサリアムでおなじみのスマートコントラクト機能がVergeにも搭載され、さらには携帯端末用のVergeウォレットが開発される予定です。
Vergeが決済に利用できるオンラインショップがリリースされればVergeの人気が高まり、Vergeの価格が上がるかもしれません。
Verge(ヴァージ)の将来性は?価格は上がる?
Verge(ヴァージ)は匿名性が特徴の仮想通貨ですが、同じく匿名性を売りにしている仮想通貨はモネロやダッシュ、Zcash、Bytecoinなど多く存在し、将来的にVergeが競合することは必須でしょう。
Vergeは他にも取引処理能力が高いことやセキュリティーが万全であるといった特徴がありますが、Vergeは上にあげた
仮想通貨の中で最も時価総額が低く、ライバルに遅れをとっていることは否めません。
また匿名性が高い仮想通貨全般に言えることですが、マネーロンダリングや闇サイトでの決済に使われるなどと匿名性の高さを悪用される可能性があります。
仮想通貨が悪用されてしまうと国や取引所の規制の対象となってしまうため、価格が暴落してしまう恐れがあります。
先日コインチェックがMoneroやDASH、Zcashといった匿名性の高い仮想通貨の取り扱いを廃止したように、Vergeも今後取引所から廃止されてしまうかもしれません。
また理論上のリスクと言われていた51%攻撃が現実におき、また運営の対応のまずさによる不信感などVergeには様々なネガティブ要因が多くつき回っています。
Vergeが決済に使われるオンラインショップのリリースなど、Vergeの価格が上がる要因もありますが客観的に見て、Vergeの将来性には疑問を拭えません。
とはいえ発行当初から価格が5万倍になったり1ヶ月で220倍も価格が高騰したりと、Vergeの勢いは実証済みですので、価格が上がる兆しが見えるとそのまま勢いよく高騰する期待が持てます。
Verge(ヴァージ)のまとめ
- Vergeは匿名性の高さ・セキュリティー・取引処理能力に優れた3拍子揃った仮想通貨
- めったにに起こり得ないとされていた51%攻撃を受けたことで話題に
- 51%攻撃の事実をもみ消そうとしたり、被害額が明らかでなかったりとVergeの運営には不信感が多い
- 今後はVergeを決済に使うことができるオンラインショップがリリースされる予定であり、価格の上昇が期待できる
- MoneroやDASH・Bytecoin・Zcashとの競合、悪用や規制のリスクは不安材料